下北完走記 (還暦)
>シマッタ!
下北へ出発の前日、マニラの高級ホテルで眼を覚ますと腹具合がおかしい。
食べたものを思い出してもおかしなものは食べていない。それどころか昨晩
のイタリーレストランでは、おいしそうな生がきを避けたくらいです。同行して
いた人は腹をこわしていないので、原因としては、前日ホテルのジムで飲ん
だ冷水器の水かプールの水しか思い当たらない。
インドでも、ふたりで行って私だけが腹をこわしたが、この時もウイスキーなど
に入れた氷かプールの水が原因だったらしい。
2,3年前の5月の連休の直前に香港で3人一緒に下痢となったことがある。
この時はほかのふたりは帰国後病院で点滴をうけたりしたのだが、私の方は
連休の練習計画がつまっているので、そのまま、ということは下痢止めを飲み
ながら練習を続けたことがある。この時の原因は、ゆでた山盛りの小エビだっ
たようだ。
あれやこれやで海外での下痢については経験豊富で、下痢していても緊張し
ている間だけは、例えば、レース中とか練習中は、トイレに行かなくても大丈夫
との経験もあるので、下北のレース出場そのものは問題ないが、スタミナにつ
いては不安でした。
いずれにせよ、海外で腹をこわして帰国すると空港で検疫で報告することになっ
ているが、場合のよっては隔離されるかも知れないので黙って入国。
その日の朝から夜11時頃の帰宅まで何回トイレに入ったかは数えられません。
>クサーイ!
朝4時起きで羽田へ。ろくろく寝ていないけれど、腹はおかしいままだけれど元
気にみんなと朝のご挨拶。1時間の飛行で三沢空港へ、レンタカーで会場の六
ヶ所村の体育館へと移動。受付をして、バイクを組んで車検をしてといつもの手
続きを終えてきくや旅館に行きました。想っていたよりきたない旅館だったが料
理がすごいとの噂だったので気になりません。ただ、便所がくみ取り式だった
のは誤算でした、クサーイ!
>ツメターイ!
今回の大会で一番心配だったのは、スイムが完泳できるかということでした。
水温が低いので、フルウエットの方がいいと言われてもロングジョンしか持って
いないし、昨年の上野さんが水に顔をつけられなくなって平泳ぎで泳ぎ切った
との話もあるし、それよりも、前回の野尻湖で溺れそうになっているので本当に
不安でした。
アップのため海に入ったところ、ツメターイ! でも、しびれるほどではありま
せん、ラッキー! これで下北完走は間違いなしと思いました。
スイムスタート。コースロープの外側に離れてかたまっている速そうな選手を
避けて、意外に穴場になっているロープ沿いの後ろからスタートしました。コー
スロープ沿いに泳いでいると、外側からの選手が寄ってきて行く場所がなくな
ることがあるのですが、ここの場合はロープの内側に逃げて泳ぐという奥の手
が使えたので、結果的には大成功でした。
浜にあがったところで21分台だったので上出来。ゴールまでの長い走りの間
に森田さんに抜かれました。スイムタイムは24分。
>サムーイ、ミエナーイ、イターイ!
バイクジャージにしようかと大分迷ったのですが、鉄人ユニフォーム(トライ
シャツ)に決めて走り出しました。雨がしょぼしょぼ降っていてサムーイ!
走り出して10kmか20km(極めていい加減な記憶ですみません)走ったと
ころで、な、なんと後ろから中村さんが来たのでした。「どうしたのおー。」な
どと雑談をかわして抜いていったのですが、やはり焦っていたのでしょうか、
目の前でボトルを落として、拾わないで行ってしまいました。
霧雨の雨滴がサングラスについてミエナーイ!半島の先のほうに行ったら風
が強い。途中、平井さんを往路の坂道で抜いて、森田さんは復路も大分はし
ったところで抜いてと快調でした。100kmを越えたあたりから尻が痛くなり
始めて、どんなポジションを取ってもイターイ! こうなってからの2,30k
m
はランが楽しみになってくるくらいです。バイクタイムは5時間8分。
>ツラーイ!
ランのスタートは下りです。もちろん快調です。2,3kmも走ったところでゴ
ールに向かう村上純子選手に会いました。下りきったところからは登りの多
いアップダウンが続きます。このあたりが去年松本さんが熊を見たと言わ
れるところなのですが、想像していたような森林がうっそうと茂っているよう
な場所ではなく、明るい灌木があるだけの場所でして、とても熊が出るとは
思えません。
後半になって長い直線路を走り、15kmを過ぎたあたりで、これもどうしたわ
けか瀬川さんが後ろからきて追い抜いてゆきました。なにをしていたんです
かね。。最後の登りにかかると歩き走りになってしまいました。2,3人で走っ
たり歩いたりで抜きつ抜かれつ、ツラーイ! ランタイム2時間29分。
>いい湯だなあ! いい大会だなあ!
これは、レース後みんなで銭湯入ったときの気持ちです。来年はもっともっと
たくさんで出場しましょう。もっともっと面白い話が生まれるでしょうから。