飲んで喰って泳いで走る-----
佐渡国際トライアスロン完走記
(ミスタービーン)

「そうだな、7時間50分、早くて7時間45分がいいとこかな」と関谷さん。佐渡の目標タ
イムは、と探りを入れる私に慎重な牽制球が返ってきた。実は私もそのくらい、と答え
たのだったが、これはほぼ正直なところ。一昨年の佐渡Bタイプは8時間08分という情け
ないものだった。しかし今回はランが2キロ短いこと、スイムの練習の成果、ニューバ
イク、という諸条件を考慮すれば、何とか7時間30分を切りたいというのが本音である

 9月3日、佐和田に到着した鉄人の第一陣は関谷、上小牧(ポラリス)、広田、川島、
対馬の5名。まず大会本部のアミューズメント佐渡で選手登録、説明会に出席したのち
、意外にもモダンな外観の旅館浦島に到着。何はおいてもまず床屋、と散髪に出かける
訳の解らん広田と対馬。さっぱりした頭で浦島に戻ると、鉄人の第二陣が到着している
。塚越、松本、JR佐藤、滝川、杉浦、瀬川の面々だ。このほかにフェリーの中で会った
数本選手一家が別の宿に投宿しているはずだ。
 ふたたびアミューズメント佐渡に向かい、出店で買い物。ここぞとTシャツを買い込

広田太郎。私はTシャツ一枚と、宮塚のボウルダーの店でカーボショッツ、ヴァームを
購入。開会式はパスしてパーティ会場へ。うわさに聞く浦島の料理は床屋も太鼓判、「
食べ過ぎて走れなくならないように」とお節介な忠告までついていた。したがってカー
ボパーティは早々に切り上げて宿に戻る。テーブル狭しと並んだ夕食は評判通りどれも
おいしい。しかも次々と料理が運ばれてくる。うまい魚と地ビールを胃袋に収め、しか
も明日は一日お休み、となればこれ以上の幸せはない。夕食後はレースの支度をする人
、ビールを飲む人、と三々五々。出発以来の睡眠不足もあって、皆早めに就寝。対馬は
風呂に入ってスネをそる。
 9月4日、本日はフリータイム。朝食ののち、海で試泳。コースブイまで往復約1キロ

泳ぐ。天気も良く気持ちよい。大会会場を下見した後、午後は塚越会長の強力な推薦に
より佐渡金山を見物。
 宿に戻ると、いよいよ明日の支度にとりかかる。昨年の宮古島、今年の皆生、西湖デ
ュアスロン2回ほどを走り込んでいるタイヤは一見まだ大丈夫と思われ、安いタイヤは
パンクしない、という信念のもとに今回もそのまま使うことにする。念のためスペアだ
けは2本くくりつけ、ボンベ2本、カッター、アーレンキー、タイヤセメントまで入れ、
何があっても大丈夫モードである。さらにカーボショッツ、梅干しをDHバーのバッグに
入れて万全の態勢。今晩も豪華な夕食をたらふく食べて、倒れ込むように布団に入る。
 9月5日、3時半起床。あわただしいレース当日の朝。トランジッションバッグを背負

、バイクを押して会場へ。トイレに2回も行ったため、皆に出遅れてしまった。スペー
スにまったく余裕のないバイクラックに無理やりバイクをセット。トランジッションバ
ッグは着替えエリアに別にセットする。
 スタートはまず世界戦のエイジグループから、その後国際クラスがゼッケンナンバー
順にウエーブスタートする。すなわち年代の若い順だ。我々40歳代は第3ウエーブ、6時
24分のスタートだ。佐藤さん、川島さんらと握手し、入水チェックを完了。スイムスタ
ートはカメラの並ぶ仮設桟橋寄りの左側後方に並ぶ。第1ウエーブの集団はそろそろ最
初のブイにさしかかろうとしている。号砲とともに歓声が上がりいよいよスタート。バ
トルに押されて左へ左へとはみ出していく。すでに海中は砂が舞い上がってほとんど視
界はきかない。とにかく顔をたたかれないように、集団が分散するまで辛抱して泳ぐ。
600m沖に泳ぎ、最初のブイで岸に平行にターンする。早くもエイジグループの黒いスイ
ムキャップの、おそらく爺さん婆さんの選手に追いつきはじめる。そのうちに第2ウエ
ーブの青キャップの選手もちらほら混ざってくる。選手の他にクラゲもたくさん泳いで
おり、肩や腕、くちびるなどにときおりピリピリと刺激を感じる。そのうち今度は後ろ
から赤いキャップの女子の選手が追いついてくる。1500m、岸に向かってターン。200m
ほどで再び右へターン、岸に平行にゴールへと折り返す。朝日がまぶしく方向がつかみ
にくい。左側にテトラポッドが見えてくるとゴールまであとわずか。ようやく正面に監
視の漁船が見え、左にターンするとゴールは目の前だ。立ち上がってタイメックスを見
ると1:02ほど、予想外の好タイムに気をよくして、元気よく砂浜に駆け上がる。せっか
く早くスイムを上がったんだから、とトランジッションもすばやく済ませる。バイクラ
ックにはまだ半分ほどのバイクが残っているようだが、すでに両側のバイクはなく簡単
に下ろせる。
 いつもの癖でバイクスタート直後はむきになって飛ばす。佐和田の街をはずれたとこ
ろで目の前に金色の新型トレックを発見、待てよ、うっかり追い越すとすぐ抜き返され
て泥沼に陥るかな、と思いつつ、ままよとばかり声を掛けて川島さんを追い抜く。むっ
、追い抜いてこない、余計プレッシャーだなあ、、。加茂湖を過ぎ、小佐渡の東端にか
かるとアップダウンが始まる。皆生のとき新調したリアの25Tはフロント39Tではどうも
使いにくい。脚力がなく、体重のある私にはリア21Tでダンシングしたほうが楽だし、
早い。
 小佐渡の南岸は緩い上り坂と長い下り坂の繰り返しで走りやすい。上りでスピードを
ロスした分、下りで平均速度を稼ぐ。村ごとに総出で太鼓や一斗缶を叩いての応援に、
手を振って応えつつ小木をめざす。30分くらいを目安に、カーボショッツかエイドでバ
ナナやおにぎりをもらって食べる。70キロの表示を過ぎると、まもなく小木の町に入る
。応援もいよいよ盛大になり、町を抜け右に曲がるとすぐに急な坂が始まる。500mほど
ダンシングで登り、あとは長い坂をひたすら辛抱で登る。事前にコース図で見たところ
では有名な小木の坂と言えども、ピークは標高100mもない。皆生に比べれば、こんな坂
は何でもない(!)。ようやく頂上に近づいたと思われる頃、後ろから声を掛けて横に
並んだ選手を見れば、なんとJR佐藤さんではないか。よもや後ろにいるとは思わなかっ
た。こんなところで何してるんですか!。一旦は抜かれた佐藤さんを下り坂で再び抜き
返す、しかし海岸線に出ると向かい風にたまらずペースダウン。佐藤さんは再び先に行
ってしまった。真野の町に入ると再び盛大な応援にペダルを踏む脚力がよみがえる。単
純なものである。
 バイクゴールはフィニッシュゲートのあるグラウンド沿いに仮設歩道橋の下をくぐっ
てトランジッションへと向かうコース。皆が自分を応援してくれているようで気持ちよ
い。バイクラックにはまだまだ空いているスペースがたくさんある(ように思える)。
ヘルメットを脱ぎ、ランシューズにはきかえてトランジッションエリアから走り出す。
やはりしばらくは脚が動きにくい。佐和田のメインストリートに入ったところで再び佐
藤さんに追いつく。どうも調子がいまひとつといった様子だ。5キロほど走ると外人の
選手たちに混じって塚越さんがやってきた。早い、拍手を送ってハイタッチ。数分後、
セメント工場を過ぎた橋で数本さんとすれ違う。さらに1キロほど行くと下半身を消炎
クリームでまっ白に塗りあげた滝川さん、、、「またつっちゃいましたよー」。
 ランのコースはこれまでのBタイプより2キロ短いだけでなく、コースも変更されてい
る。昨年までのランコースがエリートタイプのバイクコースになるためだ。このあたり
農家が点在する中をしばらく行ったところで松本さんとすれ違ったはず。さらに行くと
田んぼの中を長い一直線の途が続いている。しばらく走ると瀬川さんがやってきた。さ
て折り返しまではもうすぐのはずだが、前にはあと誰がいるんだろう。いったん右に曲
がり200mほど行くと、役所のような建物の前に折り返し点のエイドがある。折り返して
再びもと来た道を戻る。1キロほどで川島さんがやってきた。「すぐ前に先生がいるよ
」とのこと、上小牧さんとすれ違ったのは気付かなかった。そのあとに来たのは佐藤さ
ん。うーむ、気を抜くと川島さんには追いつかれるぞ、佐藤さんもあぶないなどと考え
ていると、すぐに関谷さんが来た。これはすごいじゃないですか。自分も思ったより好
調であるが、関谷さんも速い。「二人でビリ争いか」という展開にはならなくて済んだ
ようだ。
 さて鉄人同期生の太郎ちゃんはどうしたのだろう。どうやら気付かないうちにすれ違
ったのかもしれない。これより後ろということはないはずだ。杉浦さんも早く来るとい
いが、と思いつつ行くと15キロほどと思われるところで、向こうからやってきたのは太
郎ちゃんではないか。何遊んでるの、そろそろ本気出せよ!。
 先ほど折り返したあたりから、ゴールタイムが気になりだしていた。ラン前半のペー
スを維持できれば間違いなく7時間は切れる。距離表示がないのでわかりにくいが、こ
れなら何とか行けるんじゃないか。エイドでは頭に水をかけ、コカコーラとアメで糖分
を補給するだけにする。さらに1キロほどで杉浦さんがやってきた。若干バイクで時間
がかかったようだが走りはしっかりしており、もう完走は確実だ、がんばれ。
 さああとは残りの距離と時間の割り算だけ。橋を渡ってセメント工場、あと5キロく

いか。後半もあまりペースは落ちておらず、1キロ5分30秒前後のペースは維持している
。農家の間の細い道を抜けたところであと3キロくらい、この分なら大丈夫だろうと思
うが、気はあせる。最後の田圃を抜け、橋を渡り、ようやく佐和田の町に入る。佐和田
の商店街は、両側にずらりと人垣が並んでお祭り騒ぎ状態だ。商店街を抜けて海岸に出
、いよいよフィニッシュゲート。ゴールの間隔を見はからってペースダウンしたところ
を、後ろから勢いよく走ってきたランナーに抜かれてしまった。仕方なく立ち止まり、
テープを張り直してもらってようやくゴール。6時間54分、鉄人6位であった。
 結果を見ると、スイム651位、バイクで26人、ランでは47人を抜き、総合578位となっ
た。スイムでは3キロの自己ベストを出すことができた。またバイク、ランを通じて順
位を落とさずにゴールできたこともうれしい。7、8月はたいして練習できなかったが、
1〜3月に宮古島のために練習したことが、いくらか貯金として残っていたためだろうか


・佐渡国際トライアスロン大会(9月5日)
(Swim3km-Bike106km-Run23km)
  対馬 達也  総合 06:54:25 578位
  Swim 1st.Tr. Bike 2nd.Tr
01:02:54(651) 00:04:19(296) 03:35:30(614) 00:04:59(768)

通過 Run
04:47:42(625) 02:06:43(508)

最後に、今回も楽しい佐渡ツアーを共にしていただいた鉄人諸氏、おいしい魚とビール
、宿をコーディネートしていただいた関谷さんに感謝。
妄言多謝。