日本海オロロンライン国際トライアスロン大会完走記 (エーちゃん)

8月21日
 羽田空港から北海道へ旅だった。そこでは本吉さん一家と合流し、話しもはずむ。
 本年2度目のトライアスロンは、二人のギャルの応援つきだ。
 大会会場について受け付けを済ませた。風が強い。波も高い。開会式では、このよ
うな高い波ならスイムは中止といっていた。
 ここまでは順調にすぎていった。宿に入り、バイクを組み立てようとして、先に着
いているバイクの箱をみると何かおかしい。蓋が開いているではないか!中をだして
みるといっしょにつめたウエットやヘルメットがぐちゃぐちゃになっていた。フレー
ムを傷だらけだ。ショックを受けつつ、組み立てはじめたら、ホイールをとめるクイ
ックのネジがなくなっているのに気付いた。これではバイクは組み立てられない。し
かたが無いので、宿の人にバイクショップを聞いていってみることにした。これには
、れいちゃんが付いてきてくれた。落ち込んでいる私を明るく励ましてくれた。
 しかし、9時を過ぎた留萌の町は静かで風と波の音だけが聞こえていた。バイクシ
ョップはあったが、当然開いていない。しかたがなので明日、もう一度行く事にして
、宿に戻った。そうしたらのりちゃんが変わったボールペンとかいって、梱包用のリ
アエンドを持っているではないか。神様、本吉様ありがとうという感じで、それをか
りてバイクを組み立てる事が出来た。(本吉さん、ありがとうございました)

8月22日
 今日は昨日と変わって、風もほとんどなく絶好の天気となった。私と本吉さんはバ
イクでスイム会場にいき、軽く泳いだ。徳之島のときはニューウエットでぶっつけ本
番で失敗したが、今回は事前に泳げてよかった。波も無い状態で水もきれいだ。
 そのあとのりちゃん、れいちゃんと合流し、うわさの松倉寿司にいった。ここのチ
ラシのジャンボは圧倒される。ご飯がカキゴオリの山盛りのようにあってそれに新鮮
なねたが貼りついている。これをすべて平らげなければ800円増しになるというの
も面白い。
 これをなんとか食べきり、完走への自信とした。

8月23日レース当日。
 この日のために、6月22日から準備にはいって2ヶ月。目標の練習量はこなせな
かったが、やれるだけの事はやってきた。このレースにあたり、一番の目標は本吉さ
んに先着する事とした。そして2番目の目標は12時間以内、100位以内とした。
3番目の目標は楽しんで完走する事とした。
 スイムスタートは、左の方から出発。思ったよりバトルもなくスムーズに進む。波
も穏やかだ。スイムゴール近くでクラゲの大群がいたが、フルウエットなのでかまわ
ずつきすすすむ。スイムゴールは32分。同じ2kmで徳之島のときは46分だった
から随分楽だった。予定では40分以内だったので大きく余裕がでた。バイクラック
に行く途中、本吉さんのバイクを発見。私の方が先だ。着替えをしている内に本吉さ
んがあがってきた。慌ててバイクをスタートさせる。
 バイクは追い風ぎみで、予定ではアベレージ30km/hで行くつもりだったが、
37km/hぐらいでている。距離が198.8kmなので前半は抑える。心拍数上
限150に設定している。ほどなく本吉さんが追いついてきた。直線路が多く追い風
ぎみなのでバイクがばらけず集団化して来る。ドラフティングを避けながら前に進む
。集団の前に間が出来たので一気に集団をぬいて一人旅にはいった。抜くときペース
を上げた勢いがそのまま持続し、進む。エードではエネルゲンと水をもらい、たまに
バナナをとった。
 130kmぐらいの所で再び、本吉さんが追いついてきた。なんとDHバーのアー
ムレストが落ちてしまったそうで、ポジションが取りずらそうだ。本吉さんがきてく
れたおかげで再度気合が入り、ペースを取り戻した。そこから先は本吉さんの影に脅
えながら逃げきりをはかった。尿意を催したときも、本吉さんはいったん止まってし
たそうだが、私は時間がもったいないのでバイクを乗りながらした。足を伝ってシュ
ーズに尿が溜まる。気持ちが悪いのでボトルの水で流した。
 バイク後半で2つの踏切をこえる。ここはローカルルールでいったん下車して渡ら
なければならない。私にとっては足の筋肉のいいリフレッシュとなった。後半は向い
風になりペースが落ちてきたが、6時間25分でバイクを走りきった。アベレージは
34km/hを越えた。
 ランの準備をしている内に本吉さんがやってきた。ほとんど差がついていなかった
。ラン同時スタートだと苦しいので、また慌ててランコースへ飛び出した。
 オロロンのランコースは中盤に長いアップダウンが多くある。ランのトップタイム
も3時間14分程度だ。かなりきつい。また前半5km以上エードがなかった。これ
は誤算というより私の確認ミスだ。この区間はつらかった。バイクの疲れもあり、2
00kmオーバーのロングのランは初めてだったのでペースがつかみにくかった。心
ぱく数も150を少し越えている。しかし、本吉さんにすぐに捕まり、ひき放されて
しまった。第一の目標が離れていったので第2の目標に切り替えてペースを守った。
ランは4時間をきる事を考えていたので、中間点までは抑えていって後半、ペースを
あげるつもりでいた。ここでも尿意を催した時、止まってはせず、出しながらかに歩
きをした。本当は後ろ歩きをすればいいのだが、女子選手が来たら恥ずかしいから、
かに歩きにした。(これほど時間を細かく稼いでいるのに本吉さんにランラップを負
けた。やはりランの自力がものを言うのですね)
 10Kmすぎたあたりからランになれてきたが、アップダウンがはじまる。本吉さ
んから小椋よう子という選手に宮古島、皆生でラン後半にかわされたという話しをき
いていた。
 その小椋選手がぬいて行く。この選手についていけば再度本吉さんにおいつけると
思ったがペースが早いのでついていけなかった。しかし、その小椋選手はその後ペー
スがあがらずに途中のエードでかわす事ができた。
 それをきっかけにわたしのペースが上がり、なんと本吉さんに追いつき、更にひき
離しにかかった。一度は見えなくなるまでひき離せたのだが、30km当たりで再度
本吉さんにつかまった。あとは本吉さんについて行くのが精一杯であった。
 タイムは第2の目標をクリアする事は確実だったので、ペースを落としたい誘惑に
かられた。しかし、第一の目標である本吉さんと並走になったことでぎりぎりの所で
がんばれた。ゴールまで後5km、3km、2kmと縮まって来る。本吉さんの顔色
は変わらない。本吉さんが「前のやつにおいつくな」と言ってきた。私は「抜いちゃ
いましょう」といってペースを上げた。
 オロロンのゴールは南下してきたオロロンラインを左折して300m行った所にあ
る。左折してゴールが見えた途端、思わずスパートしてしまっていた。それまで本吉
さんについて行くので精一杯だったのだが、残りのエネルギーを全部使った感じだ。
ウルトラマンダイナが怪獣を仕留める時最後に放つ光線のようだった。
 回りが何も見えず、ただゴールに飛び込んだ。
 オロロンを完走した。10時間56分18秒58位だった。目標を達成できた!
 ゴール後、本吉さんと健闘をたたえあっている内に気持ちが悪くなり、戻してしま
った。点滴ルームに運ばれ、点滴を受けた。やはり、ぎりぎりまで力を出せたようだ
。点滴を受けながら、今日のレースを思い起こそうとするが、疲労度が増してきて思
い出す気力もなくなってしまった。その時はトライアスロンは当分やらないと思えた
ほどだ。
 この日の宿は本吉さんが特別に予約してくれたホテルだ。参加者の中には留萌まで
戻らなければならない人もいるので、私達はとっても贅沢だった。
8月24日
 バイクを梱包して自宅へ発送する。閉会式ではカニのほかにウニもでた。イガイガ
つきでだ。さすが北海道だと思った。
 レース時の写真が売られていたので自分のゴール写真をみるとれいちゃんが本吉さ
んを迎えで出たところも写っていた。私がゴールした時はれいちゃんの姿すら気がつ
かなかった。いつかは賢太郎と夢果と手をつないでゴールしたいと思った。
 本吉一家は大会事務局が用意したバスで一足先に出発した。本吉さん、のりちゃん
、れいちゃん、大変お世話になりました。
 私は家族と札幌で待ち合わせているので定期バスで帰った。
 オロロンのために家族でなかなかゆっくり過ごせなかったので、北海道の小旅行で
罪ほろぼしをしようと思う。
 今年は、徳の島、オロロンと南と北の大会に出て、本州ではトライアスロンをしな
かった。贅沢な年だった。自分なりに生活をコントロールして練習のペースも掴める
ようになってきた。潤子も愚痴を言いつつも私がトライアスロンをやる事に対し協力
してくれた。 子ども達も応援してた。本当にありがとう。
 来年は目標を宮古島とオロロンに定めて準備していきたい。また協力をお願いしま
す。潤子様。