やっと・・・トライアスリートになりました (みっちゃん)

<第11回ママー・パスタ レディース大会・完走記>
       

1998年7月12日、天候・曇り後小雨。水温23度。
13:20。立川昭和記念公園、レインボープール。

 「スタート30秒前・・・」
そして、遂にスタート合図です。
私の25.75Kmがはじまりました。
Swim750m、Bike20Km、Run5Kmの「道」。


途端に緊張がピークに達し、気がついたら廻りはどんどん進んで
いました。頭の中が真っ白、自分も泳ぎだしてはみたものの、
人の波で水は飲むし、焦るしであっという間に隣りは一人のみ・・・。
でもその一人がいてくれたお陰で、まだ勇気づけられました。
右に左に蛇行しつつ、自分でも「何でこんなところで」という場所で
立ってしまう、もどかしさ。
ひょうたん型・変形のプールで、2周1/3するのですが、
今、どこかもわからなくなっていました・・・。
頭の中は「こんなところでリタイアなんて、絶対イヤ。でも、
このまま続けられるか・・・」という自分との戦い。
「格好悪いな・・・、いや、人との競争というより、私にとっては
自分の目標を見失わないことだよね、でも、しかし・・・。」の
繰り返し。
鉄人クラブの皆に頂いた注意ポイントの数々や、
園田さんからの「焦らず。呼吸をしっかり。特に吐くとき。」
アドバイスなど思い出す余裕がなく、フォームも乱れてきてしまいます。
終わった時は目標30〜40分に対して、もう50分ぐらいかと
ドキドキしましたが、奈良島の「まだ25分だよ、焦らないで」にホッと
しました。
これで、転倒しなければ何とか行けるかなと、時間内完走に向け、
やっと明るい気持ちになりました。
終わってみれば無事に終わったのですが、Swimが最初で全ての難関
だったといえます。


 走り始めて6年目の夏、やっとというか、遂にというか、
3種目の初めである、Swimのスタートラインに立つことができました。

思えば、今年2月の片倉。ボランティアしている時、杉浦さんと交わした
「今年の目標」それぞれが頑張りたいねってところから、私は
「ランナーからトライアスリートになる」ことを密かに企みました。
週1の田町会で少しずつでも走り、SwimとBikeもやってみて、
それから鉄人クラブ内で出場表明し、自他共に言い訳しない環境を
作ろうと思いました。

鉄人通信で発表した4/23からの練習量は、おおよそ、
Swim  10Km(レース距離は750m)
Bike 120Km(レース距離は20Km)
          *エアロバイク30分を約8Kmと換算して。
Run   42Km(レース距離は5Km)というものでした。
目標の、それぞれ10倍というのは、Swimは出来ましたが、
Runは惜しいところ、Bikeは距離不足となりました。
私にとっては、練習期間の目標は、足の立つプールではあっても
Swimで泳ぎこんで、苦手意識を少しでも減らすことだったので、
この量にはまあ、こんなものかと思いました。

「皆で応援に来たからね」
当日、準備していたところに三鷹に住んでいる実家の3人が、
駆けつけてくれました。マラソン大会には何度か来たこともあったけれど、
3人ともトライアスロン観戦は始めて。意外に多い若い家族連れに気を良くし、
「信泰と道子のところも、早く」と又もや、その話題。
そもそも、 このレースに先立つ5月初め、
「今度、プールでトライアスロンの大会に出る」と家族に言ったところ、
皆口々に「本当にその距離を走りきれるのか?」と言い、
心配されました。
そのうち、妹と母は応援に行くと言ってくれていました。
そんな時心配し、(かえって)応援に行かないと言っていた父までが、
当日は顔を出してくれました。
共働き早5年の我が家にはもっと他にも目標があるはずと、
練習一点張りの私たち夫婦に苦い顔の父は、あんなに「見には
行かない」と言っていたのに・・・。
それだけで当日、顔を見せてくれた父にはびっくりと
いうか、なおさら完走したいという気持ちが募りました。

女性の参加者は、カテゴリー分けで3グループ。20分間隔のスタート順。
私は第2グループ。
年代別に50人ずつで、総勢150名です。
この他に、リレーチームは先行してレースをしています。

Swimを第2グループの最後に上がってきた私と平行して、
向こうで総勢4人も(奈良島、父、母、妹)走っています。
バイク・トランジッションに来て、まずはサングラスをかけました。
が、気づくとサングラスがジャマしていて、ランシャツが
うまく着れません。水着の上から、スパッツ、ランシャツと着て、
MTBを台から降ろしました。
この日の為に、MTB特有のごつごつタイヤから、少しでも滑らかなものに
替えたのです。
さあ、Bikeスタートだ!


Bikeコースは1周5Kmを4周するもので、多少のアップダウンはあります
が、初心者向けです。他のロードレーサーが早いですが、私は焦って落車するの
もと思い、最初は今から思えばゆっくりすぎるほど、慎重に行きました。
給水は1周ごとと言われていましたが、思い出さず、2周目で声をかけられ、
気づく始末です。
 この風が気持ちいい!!!
宮古や佐渡の景色とは雲泥の差はありますが、今が私の「長い道」。
夕日にはまだ間がありますが、口ずさんでいました。
周回チェックポイントでは「もう少し、サドルを高くすれば早くなるよ」との
アドバイスも頂き、次回からの参考になりました。
 公園内は普通のお客さんもいるので、すぐ隣の街路樹向こうにはママチャリの
親子連れが、こちらを「へえ、大変そう」と走りながら見ています。
私も選手になったんだな・・・と実感しました。
今日は、私の応援&カメラマンになってくれている、奈良島がバイクポジション
を写真に収めようと身構えています。
いつもと逆です。変だけど・・・これも嬉しいですね。
(応援もけっこう、骨が折れます。ね、皆さん)

さて、最後はRun。これは2周で5Kmのコースです。
BikeからRunへは足がふらつきましたが、かもめ町、西湖が役に立ち、
少しずつ、足を慣らします。走っていると、父が「伴走する」といって、
コース脇で少しずつ追ってきました。応援は嬉しいけれど、そんなに
「苦しいか?」と聞かれても、答える余裕もないし、あったらもっと早く走りた
いんだから・・・と喉まで出かかります。でも、無茶をしてると見える私に
気遣ってくれて、嬉しくなりました。
Run1周目で、第2グループのみならず、第3グループの人たちが明らかに
スピード違いの早さで、抜いて行きます。もう、2周目なんだろうなあ。
私は歩かず、着実に行くしかありません。
1周目より、2周目の方がなぜか楽に折り返しまで来ました。
「ここを曲がったら、後はゴールへ駆け込むんだ・・・」
そう思ったら、手のひらを機械に当てながら、
ひとり、ジーンときてしまいました。
ボランティアの一人の「あんなに嬉しいんだ・・・」の声が聞こえ、
照れくさかったです。
給水では、足を止めるとつりそうになり、2回に1回と減らしながら、
ゴール地点へ足を進めました。
2周目の途中で休んでいた父が、「早いねえ、追いつけないよ」と
言いながら、途中から妹と母も加わり、ゴールを見ようと3人で
後ろから走ってきていました。

「ゴール」
家族4人、それに鉄人クラブでは
Bike練習中に駆けつけて下さった関谷さんが
待っていて下さいました。
どうもありがとうございました。
最後のゴール前はあっけなかったのですが、待っていた奈良島を見たら、
思わず、涙してしまいました。
Swimでやめなくて、本当に良かったと・・・、一時はリタイアかと
頭をよぎっただけに完走できて、ほっとしました。
あの辛かったSwimがあったからこそ、この喜びなのかもしれません。
タイムは1:59:14。何とか、完走しました。
女子完走者150人中、何と150位。(出場154名、周回ミス他4名)
前の人とは総合で8秒差でした。グループ別なので、その時点では順位は
わかっていませんでした。
最終で悔しいというより、今後はここからスタートです。

目標タイムとの比較は、
Swim 目標  35分
Bike 目標  60分(トランジット除き)
Run  目標  40分
制限時間 時間内完走(2時間30分)のうち、2時間15分。に対して、

Swim 実際  25:21(154位/154名)
Bike 実際  60:29(146位/Bike終了時151位)
                *トランジット含み。 
Run  実際  33:24(143位)
合計   実際1:59:14。
各種目も予想が甘いとはいえ、目標達成できたし、
総合で2時間を切ることも出来ました。
自分なりではいいレース、にできました。

あきらめないで、人をうらやましがらず、自分自身で頑張る。
それを教えてもらった1日でした。


鉄人クラブの皆さん他から、応援を沢山、沢山いただいて、
足かけ6年、やっとトライアスリートになりました。
運営スタッフの方々にも、特にSwimではヒヤヒヤさせてしまいました。
お礼を言いたいと思います。
私に素晴らしい経験をさせていただいたのも、プールから始められる、
このような大会が存在したからです。
これをきっかけとして、マラソンでも3種目でも又、やっていきたいと
思っています。

慣れない応援を一日中やってくれた奈良島にも「ありがとう」の気持ちで、
一杯です。

皆さん、応援ありがとうございました。
これからも、続けていきます。よろしくお願いします。
                                以上