暑い,熱いよ徳之島! (ニッセキ)
(出発前)
初のミドルというだけでなく,飛行機でレースに行くのも初めて,そういえば自転車を分解したのも初めて,不安だらけなのですが,まあ完走目的でゆっくり行こうと思います。(実はミドルの大会に出場するのは一年早かったんじゃないかと思っていました。なんせ2月まで40km以上自転車に乗ったことなかったんですから。)(徳之島へ) 6/14 羽田にて。宮塚選手(顔が小さいなー)や藤原選手(やっぱり実物もふけて見える)と同じ便です。ふたりとも取り巻きがいるわけでなく,単身です。あまりに身近なところにトップ選手がいて,そして彼らも自分たちと全く同じ行動をとっているわけでなんか不思議な気がします。鹿児島空港は大雨,しかし徳之島は梅雨も明けて晴れ渡り,まさに南の島そのものでした。飛行機から外に出るとものすごく日差しが強くて,暑い!でも気持ちいい。噂のトライアスリート寿町長(この人に負けると来年出場できないという話があります)が出迎えてくれます。至る所に選手を応援する横断幕がみられます。なんか楽しくなってきました。B&G海洋センターで自転車を組み立てます。初めて自転車を組み立てたわけですが,なんとかもとに戻り一安心。これでレースには出られます。(開会式&パーティ)レース前のパーティに出るのは初めてです。世界王者のポーラがいます。グレン(マンガム)さんもいます。有名な人を見てワクワク,ミーハーの血が騒ぎます。青木さんがポーラの大ファンということで「ポーラと写真を撮ろう!」てことになって,ミーハーな人たちでポーラのもとに押し掛け,いっしょに写真を撮って握手までしてもらいました。中村さんはサイン帳を持っていてサインをもらってました。けっこう無礼な私たちに対してもポーラは非常に愛想よく接してくれました。うーんいいひとだ。感激です。森田さんはグレンのファンらしく,次は「グレンさんと写真を撮ろう!」ということになりました。横浜から来たことを告げ,いっしょに写真を撮って握手してもらいました。このとき私は昨年の日産カップでのグレンさんの勇姿を想い出しました。そうだ,自分もグレンさんのファンだったんだ!感激です。実は横鉄のみなさんけっこうミーハーです。
(コース下見)
6/15 午前中スイム会場で泳ぎます。海がきれいで泳ぎやすい。熱帯魚系の魚がいっぱいいます。そういえばフグもいましたね。昼に山口さんが一日遅れて登場。予定通りに現れた山口さんをみてみんな一安心。午後にバイクコースの下見をしました。確かにアップダウンばかりで平地はほとんどありません。一カ所危ないところ(下ってから鋭角に曲がって登りになる)があって要チェック。
(レース準備)
夕方には宿で翌日の準備です。実はこのとき私はおおいに勉強になりました。細かい性格の持ち主と思えないみなさんが細心の注意を払ってレースの準備をしています。この気遣いがマラソン大会と違うとこだよなーと思いながら私も準備しました。あとバイク時の補給食も勉強になります。青木さんのちょっと危ないオーバードライブをはじめとして,カーボショッツ,ピットイン,パワーバーなど私の食べたことないものばかり登場してます。ちなみに私は松岡さんの話に基づき,どらやきを用意しました。あとみなさんの自転車は磨いてあってきれいなんですよね。自転車を愛さなければ速くなれるわけないと思いました。9時ごろ床につきました。
(スイム)
6/16 いよいよレース当日です。晴れていますが思ったほど気温は高くありません。それほど波もなく泳ぎやすそうです。スタート前,みんなで「がんばろう!」と握手をかわし,スタートです。600人のいっせいスタートで混雑してますが,コースが広いのでそれほどひどいバトルではありません。あっという間にみんなとは離れてしまいます。浜辺に対し,平行に1km行って帰ってくるという単純なコースなのですが,1kmというのはあまりに遠く,折り返し点は全く見えません。どの方向に泳げばよいのかよくわからないまままわりのひとたちに合わせて泳いでいるとやがて折り返し点に到達します。なんか蛇行しているような気がするのですが,とにかく泳ぎます。珊瑚礁の上を通過すると魚が見えます。ああきれいだ。そういえば2km一気に泳ぐのも初めてだ。ふと右側を見ると赤いキャップで長袖のウエットスーツを着たひとががんがん泳いでます。もしかして中村さんでは・・・。前をみるとやはり赤いキャップで紫色の入ったアートスポーツのウエットスーツを着たひとがいます。これは石井さんでは・・・。しかしすぐに二人を見失ってしまいます。なんとなく落ちつかないまま泳いでいるとゴール手前の最後の折り返しに来てほどなくスイム終了,コース取りが下手だったなあと思いながら時計をみると41分台,でもすごく遅れたような気がしていました。(41:48で214位)
(バイク)
ウエットスーツを脱いでバイクパンツをはきながら,エナジーインゼリーを飲みます。早くも救急車の音が聞こえ不安になりますが,まわりを見回すと石井さんがスタートしようとしているところ,少し安心しました。どらやき2つを鉄人ランシャツの背中ポケットにしまい,バイクスタートです。バイクは最も不安なパート,90kmで自分の脚はどうなってしまうのでしょうか。とにかく軽めのギアで進みます。はじめのうちはがんがん抜かれますが,いつものことなので全く気になりません。沿道では島のひとたちが絶え間なく応援してくれます。やる気になります。1周目の終盤は下りが中心になり,街の中を走ります。下りなので前後との距離があき,一人で走っているような感じになりました。街の中なので応援してくれるひとがいっぱいいるのですが,このときはみんなはまちがいなく自分を応援してくれてるわけで感動しながら下ってました。気持ちいい!! 40kmすぎで森田さんが追いついてきました。マーメはとっくに先に行ってるだろうと思っていただけにちょっと意外でした。マーメには先日の西湖でラップされてますのでついていこうとは思いません。森田さんは「やっと追いついたよ」と言いながら先に行ってしまいました。45kmほどで背中のどらやきを一気に2つ食べました。おいしいんだけど食べにくい。だんだん日差しが強くなって気温が上がってきます。エイドで頻繁にスポンジをもらい,身体を冷やします。あとバナナも2本食べました。70km手前でしょうか。奈良島さんがやってきました。「奈良島さんこんにちは」「スイム何分であがったの?」「41〜42分ですかねえ」なんて会話をかわして,奈良島さんは先に行ってしまいます。私は西湖で奈良島さんにもラップされてますのでやはりついていこうとは思いません。でもランで追いつこうと思うのでした。さらに終盤80kmすぎに見覚えのある背中が見えてきます。なぜか森田さんです。「どうしたの?」「坂で脚つっちゃいましたよ」気の毒にと思いながら,追いつけた私はうれしいのでした。バイク終盤はランコースの一部と重なります。横鉄トップの青木さんが走ってきます。なんと女子の招待選手の前にいます。すごいなあ。ほどなく中村さん,山口さんが続いて走ってきます。このとき私は森田さんのすぐあとを走っていたので,横鉄の4人がここで会ったわけで,これは珍しいなどとひとりで思っていました。中村さんが「奈良島さんはすぐ前だからがんばれ!」と声をかけてくれました。そのあと森田さんの前に出てほとんど同時にバイクゴール。(3:31:59で344位 バイク終了時320位 ということはバイクで100人以上のひとに抜かれちゃったわけですね。客観的にはバイク悪いということになるのですが,奈良島さん,森田さんが3:29台だったことを考えると上出来でしょう。)
(ラン)
帽子をかぶり,石井さんにもらった梅干しを食べ,ランに移ります。ものすごく暑くなっているので水分をいっぱいとろうと思います。不思議なことに脚がすごく軽い。新島でランに移ったときよりも軽いのです。こりゃあ調子いいやあなんて感じていました。あとでひどい目にあうことも知らずに・・・。とりあえず奈良島さんに追いつこうと思って走ります。どんどん抜けます。途中で順位を数えてくれてるひとがいて289位だと教えてもらいました。まだまだ行けそうな気がします。しかし4kmほど行ったところでしょうか,下腹が少し痛くなってきます。がまんできないことはないけどトイレに行きたいなあという感じです。下腹に力を入れて走ります。このときは腹に力を入れることでかえってよい走りができるかもしれないし,早くゴールしてトイレに行こうっと,などと気楽に考えていました。日差しは非常に強く,気温はものすごく上がっています。私はすべてのエイドで水分をとり,スイカを食べ,水をかけてもらいました。なんかこれ,トライアスロンらしいなあなどと感じます。しかし下腹の痛みはひどくなっています。もうゴール後なんて悠長なことは言ってられません。応援してくれるひとがいっぱいいるのでその辺でするわけにはいきません。用を足せそうなところを探しながら走ります。7km地点くらいでしょうか。建設会社の事務所前で水をかけてくれるおじさんにお願いしてトイレを借ります。おじさんは快くトイレを貸してくれました。おじさんありがとう。事務所のみなさんにお礼を言って再び走り出します。これでちゃんと走れるだろうと思うのですが,腹が痛いのは治っていません。これはまずい・・・。私は初めて真剣にそう思うのでした。それからは苦しい走りが続きます。まだ奈良島さんにも追いついてないのになんてこった。身体に力が入りません。やがて10kmの表示が見えました。ここまで57:24。この先何分かかるかわかりません。エイドでとった水分を身体が吸収できていないのでしょう。水分を控えようかとも思ったのですが,ものすごい暑さ,水をとらなかったらもっとひどいことになるかもしれません。私は水分をとり続けることにしました。15km手前のエイドでかき氷(いちご味)が配られていました。腹は痛いけどもらって少しづつ食べます。うまい!。やがて15km地点,10-15kmになんと36:14もかかっています。なんてことだ。絶望した私はその後の上り坂でついに歩いてしまいました。私は苦しいときには,すごく楽しいことかもっと苦しかったときのことを考えて走るのですが,今回はもっと苦しかったときのことを思い出すことができません。こんなにぼろぼろになったのは初めてです。やがて森田さんが追いついてきました。マーメは再び「やっと追いついたよ,瀬川さんはやいねえ」といいながら追い抜いて行きます。私はもちろん追うことはできません。バイクゴールはほとんど同時だったはずなので,マーメもここまでの道のりは相当つらいものがあったに違いないと思います。海岸沿いを走っていると海がむちゃくちゃきれいです。ああ今走るのをやめてあの海で泳ぎたいなあとかやっぱり自然は大切にしなくちゃなとか,前を走ってるおねえさんいいスタイルしてるなあとか,トライアスロンってほんとは健康に悪いんじゃないかとか,でも徳之島に来て本当によかったなあなどといろいろなことを考えます。それでも下腹は痛い。もう一回トイレに行こう。18kmくらいでしょうか。さとうきび畑で外から見えにくいところを選んで用を足します。これもめったにできない経験ですね。その後,私が歩いていると外国人のかたが日本語で「がんばろう」と声をかけてくれます。しばらくいっしょに走ります。その人は途中でサウナの看板を見つけると「サウナで休もうよ」などと言って笑わせてくれます。ようやくゴールが近づいてきました。競技場の近くを走っていると森田さんの名前が呼ばれています。ああマーメは今ゴールするのか,そういえば奈良島さんには結局追いつけなかったなあと思います。競技場に入ると先にゴールしたみなさんの姿が目に入ります。そしてようやくゴール,私にとってミドル初挑戦は終わりました。(結局ラン2:20:23で289位,総合6:34:10で294位でした。)ゴール後はマッサージしてもらいました。気持ち良かったです。腹痛は走るのをやめたら治りました。(なぜか奈良島さんが私のあとからゴールしてきました。ランに移ったとき奈良島さんはトイレに寄ったらしくその間に私が前に出たようです。)そして石山さんが手紙の子供とともにゴールし,全員無事完走となりました。
(閉会式&どんちゃんパーティ)
バイクを分解して送る手続きをした後,閉会式&どんちゃんパーティに行きます。私はこのときはもう復活していて,また有名な人と写真を撮ろうなどと考えています。優勝したグレンとポーラを見つけるとみんなで駆け寄り,再び写真撮影です。グレンさんにはTシャツにサインをもらいました。森田さんなどはグレンさんとすっかり南林間友達になっています。マーメにきけばわかるけどグレンさんは本当に面白いひとです。日産に出場するそうです。再びグレンさんに会うのが楽しみです(ほんとだよ)。
(海でリゾート)
6/17 晴れ。午前中はみんなで海で泳ぎます。うーん,リゾートしてるなっ!という感じです。ああ気持ちいい。おっとただひとり青木さんだけが泳いでいません。頭痛がひどいらしいです。なぜだろう。山口さん,カナダではレース翌日の頭痛には気をつけて下さいね。だらだらと長く書いてしまってすみません。それだけ徳之島が素晴らしかったということで勘弁して下さい。道子さんと本村さんサポートどうもありがとうございました。また来年も出場したいです。とりあえず寿町長には勝ったので出場権はあるかな?