2014−7 - 27 | IRONMAN CANADA WHISTLER2014回想記 −−反省点を忘れないように− |
ジョイナー |
出発前、今の自分には完走が厳しいこと、IRONMAN参戦は時期尚早だったと思いましたが、 自己責任でエントリーしたレースです。
アルタ湖の冷たさ、バイクコースのアップダウンは十分に知っていました。
私をよく知っている家族は、出発前スイムのことを執拗に言いました。
が、私はプールで3.8kを泳いだりタイムを計ったり、今、考えるとそれだけで良しとしていた愚かさに気付いていませんでした。
クラブの方から教えて頂いた水中カイロと潜水の時に使うウエット地の首まで覆うキャップは準備して持っていきました。
ただ、体を温めるホットバルムというクリームを必ず持って行くようにアドバイスされたにも関わらず、どこかに仕舞いこんで見つからず結局持って行きませんでした。
同じツアーの方はきちんと用意して持ってきていて、お借りした始末です。
自分のいい加減さに呆れます。
ウイスラーは夏とはいえ、太陽が出ていないと寒がりの私は半そでではいられません。
夜は9時過ぎまで明るく、地元の方は夜遅くまで寒い中で飲んでお喋りを楽しんでいるそうです。
到着してから雨は降りませんでしたが、レース前夜の夜中に相当の雨が降り、当日の朝の寒さは一段と厳しく、おまけにサイクルメーターは作動しなくなっていました。
スタートの準備をしている間も寒く、こんな寒さで泳ぐのかと思いましたが、白人の中にはフルウエットではない方もいました。
ホットバルムを塗り、水中カイロも仕込み、防寒用のキャップもかぶり出来うる防寒対策をしました。
スイムはプロの後、フローティングで一斉スタートでした。
ギリギリまでお水につからず、後ろからスタートするつもりだったのでカウントダウン3分前まで待ちました。
とうとう入水しなくてはいけなくなり、冷たい湖に入りました。
1時間は大丈夫と言われた水中カイロは間もなく温かさを感じなくなりました。
どんどん足も手も感覚が無くなり、体も寒くなってきたのでとにかく体を動かそうと思い、いつもはしないバタ足をしました。
慣れないことをしたため、1周回目が終わって2周回目に入る辺りで両腿が攣りました。
1番近いボードに辿りつき、足が痛いから少し休みたいと伝えました。
泳ぐの?と聞かれたので時計を確認し、時間はあったので行く!と答えました。
すると、寒い?と聞かれたので寒い!と答えたら、危険だから止めた方がよい!!
と言われてしまいました。
やり取りをしているうちにもどんどん寒くなり歯が合わなくなってきて、ボードの
女性は手を振ってボートを呼びました。
会話の中に「ディンジャラス」という言葉が聞こえ、自分の状況を理解しリタイアを
決めました。
救護テントに着いた途端、濡れている物は脱がされ、バイクギアに入っていたバイクジャージに着替えさせてくれました。
その間、血糖値の検査、血圧、体温と手早い検査をして頂きましたが、歯がガチガチ言って話す事が出来ません。日本人の通訳の方が来て下さり、日本語ならどうにか理解してもらえるように答えることができました。
毛布の上から銀紙のようなシートでぐるぐる巻きにされしばらく太陽にあたっていました。
歩く練習をしてからホテルに送るからと言われました。
その間、私と同じ状態で海から上がってきた方がいて、通訳の方が、あなただけじゃないから悲しまないように慰めてくれました。
スイムの苦手な私にとって、時間があったにもかかわらずリタイアすることは、本当に残念でたまらないことでした。
最終的にはどんどん遅れカットオフになったかもしれませんが、リタイアを決めた時はまだ時間があったのです。
でも、体がいうことをきかないのですからカットオフ同然とも思います。
スイムカットオフの時間になった時、ようやく歩く練習を始めようとしている時でした。
私をボートに乗せてくれた女性が、大丈夫か?と私の所に走ってきてくれました。
通訳の方が色々説明してくれたあと、彼女が心配してかけつけてくれたことは、リタイアしてよかったということじゃない?と私に言いました。
皆に迷惑や心配をかけながらも、頭の隅っこにまだ時間はあったなぁ・・と考えていた私は自分の浅はかさに気付かされました。
そんな状況だったことに自分で気付けないなんて、スイムが苦手なら苦手なりにもっと考えなくちゃいけないことがあるのだと。
そう考えて気持ちを切り替えました。
歩く練習も終えホテルに帰る許可がでて、バイクと一緒にホテルに送ってもらいました。
とりあえずバイクには乗れるつもりだったので、前日、メンテナンスにも出したバイクですが乗れず仕舞い、組み立て練習に終わりました。
ホテルに着くと緊張感がなくなり、疲れがどっと出てきました。
情けなさはあるものの、疲れの方が先で横になって休みました。
持ち帰ったものを片づける元気がでてきて、とりあえず出来ることをしました。
その後、時間を見計らってカメラ片手に応援に行きました。
ゴール付近は応援の方達で賑わっていました。
ゴールする方達を見て感動し、次は私も!と思いました。
そうしているうちに、考えていた時間と大差なくダニエルさんがゴールなさいました。
どんな状況でも変わらないレースをする、できる、ということは素晴らしいことだと思いました。
今回、アイアンマンは時期尚早だったと思いますが自己責任、身体のこと、時間的なこと等、色々と考えるべきだったと反省しました。
次回のレースはいつ、どこか?わかりませんが、努力したいと思います。
応援して下さったクラブの方に感謝しています。
ジョイナー