2010-10-17〜 I run to be 〜(〜私が私であるために走る〜)ジョイナー

 3年越しで待ちに待ったSan franciscoのMarathon! 春頃から感じ出した足裏の痛みで、ランの練習は皆無に近い状態で今までもいくつかの大会に出場していた。San franciscoで自己新を! と考えていたことは夢となった状況で発つ日を迎えた。直前にツカさんのチャンピオンシップでの自己新を知り、納得の行くレースだったとのコメントを聞き、自分の甘さを痛感、自業自得の悔しさをたっぷり味わった。いつになったら準備万端でレースに出られるように成長出来るのか…これからの重要な課題! そんな私を皆は、「楽しんで走っておいで」と送り出してくれた。とりあえず、足は最悪な状態だったけれど、「今の最大限で頑張るしかない!」と出発!

 大会2日前に到着。前日までインディアンサマーで暑い位だったとのことだけど肌寒い! 大会当日は雲りの予想だから、走るには丁度良いかも〜と思いながらエントリー、NIKE Shopの壁面全面使用で貼られる、とてつもなく大きな2万人走者氏名一覧表から名前を探したり(大会名物!)、大会グッズを見たり…San franciscoは街中も坂道が多いのでとにかく足慣らし、気候慣らしと歩き回ってレース日を待った。

 大会前夜、もちろん禁酒、ジンクスでお赤飯のレトルトは持って行ったけれど、一応日本料理店でおにぎりを作ってもらった。コースの最終確認!4つの坂道が難関だと日本で探したブログにあったので、ファイテンのテーピングに坂道地点のマイル数を書いて手首に貼るように準備!足の状態と相談して走ることになる可能性大?必至?だから、念のため…。その上、いつもは持たない鎮痛剤をポケットに入れた。最後は、奇跡が起きて足が痛くならない様にと、ありえない神頼み!足慣らしで歩くだけで痺れるのだから、覚悟はしていたけれど一応…(苦笑)

 4時にモーニングコールを頼み、ケータイのアラームもセットして8時過ぎに就寝。時差ぼけもあり、すぐに眠れたけれど12時頃、目が覚めてしまう。すでに、ワクワク、ドキドキ!興奮状態(小学生の遠足か修学旅行の前夜の気分)で、寝ようとしても3〜40分でまた目が覚めてしまう。そんなことを繰り返して、やっと起床時間になった。寒い。

 さぁ準備! まずは朝ご飯。お赤飯も、おにぎりもしっかり食べた。いよいよ着替え!足のテーピングは慎重に、ワセリンも大盤振る舞い!今回は考えたあげく、最近はあまり使っていなかったアシックスの長距離用のシューズを持って来た。準備は早々に終わってしまったけれど、スタート地点に1番近いホテルにした意味が無くなるから、準備運動をしながらお部屋でギリギリまで待機。寒いので、アームウォーマー、ネックウォーマー、手袋、ホカロンを持ち、途中で脱ぐ予定(身体が暖まった頃の約3K地点に寄付BOX有り)の薄手パーカーを着た。

 6時を過ぎた頃、日本人参加者が集まるとのブログからの情報を頼りに、フィニッシュ地点に預ける着替えを入れたバックを持ってロビーに降りた。 なんと、日本人のブログの筆者がリーダー?となり日本人参加者約50名程を指揮っていた。最近になって知ったのだけれど、WOMENSとは言っても男性もOK! さすがSan francisco(笑)! リーダーシップをとっていた方も男性だった。コース等、必要と思った所しか読んでいなかったので、ブログの筆者が男性だとは思っていなかったのでビックリ! ブログがとても参考になったとお礼とご挨拶をした所、「読んでくれたんですか〜?もう、仲間ですね!今日はいつ雨が降り出すか分からない予報に変わりましたから、雨具を持って走った方が良いですよ!」とアドバイスを頂き、急遽、ゴミ袋に穴をあけた自家製ポンチョを取りに…。天候の急変を教えて頂きラッキー! そして、これから始まるMarathonがどうなるのかますますワクワクドキドキしてきた。

 黄色いスクールバスにフィニッシュ地点で受け取るバックを預けて、いよいよスタートの場所へ移動する。静かに人を掻き分けて(笑)なるべく前へと…このMarathonは真剣に走る選手とお祭りと考えている選手にはっきり分かれているから、最前列付近へ移動しない限り睨まれたりはしない。アメリカ国歌斉唱!気分は最高潮!

 カウントダウンが始まり、スタート! 仮装している人、ゼッケン無しで走っている人、逆走している人、後ろ向きで走っている人等がいて、とても走りずらい。早く、集団から抜け出したいと頑張る。でも、景色もしっかり目に焼き付けた!多分、最初で最後になるだろうから…。

 約5K、10K、15K、20Kの地点に難関と言われている坂道があり、私の計算に間違いがなければ15K地点の坂が1番きつい。10Kを過ぎる頃、ゴールデンゲートブリッジが視界に入ってきてSan franciscoを走っている!と実感した。(笑)

 その後、12Kを過ぎると閑静な住宅街のオレンジロードに突入、甘くて美味し〜いオレンジを配ってくれる。丁度、一口大にカットしてあり5〜6ケ頂きあまりの美味しさに後ろ髪を引かれる程!そのためか1番きつい坂は気がついたら過ぎていた。16K地点には巨大なハイビジョンモニターが設置されていて、モニターに向かってピースサインが出来る位まだ余裕があった。

 最後の坂はゴールデンゲートパーク1周の長いダラダラ坂でなかなかスピードが出ない。坂道を全て終えフラットな道のりに入り、右手に広大な海を見ながらひたすら前へ進む。雨がパラついてきて走っても走っても寒い。右足裏が痛み出し、左足で庇って走った。まだ、約27K地点、あと15Kも残してとうとう左足太ももがつってしまった。仕方無く事鎮痛剤を飲んだ。初めてのことで不安だったけれど、少し効果があったように思う。

 次に目指すは、8K先の35K地点にあるSan franciscoで有名なギラデリチョコ!が山積みのエイド! チョコで元気をつけて4K程走ると再び海岸沿いの道に出る。残り3Kの一直線!その先にゴールがある!

 雨がひどくなり、キャップから滴るほど…とにかく寒いし足は痛い。タイムボードが見えた途端、楽しんで走るつもりだったはずが出来ればサブフォーでゴールしたいと欲が出てしまった。最後の約50mは口から心臓が飛び出るかと思う程の勢いで走り何人も抜いた! 足も痛いし、多分、目茶苦茶な走りだったのだと思う…怒鳴り声のような大声のアナウンスとゴール付近の応援の声と共に、59分のタイム表示を見ながらゴールした。

 このMarathonのビックイベント! ゴールするとタキシードのイケメン男性から、NIKEとTIFFANYのコラボのBlueBox…完走ペンダントを頂ける!皆、疲れも忘れて、どのイケメン男性から受け取るか吟味する(笑) ブログで何度も読み返したこの儀式に興奮しながらも、最初の2名はパスし3人目から受け取った。そしてフィニッシャーズTシャツのブースに進みながら、最後から2人目のタキシードを見て、あまりの素敵さに立ち止まって見入る…あ〜ぁ、受け取るのが早過ぎた!さすがに彼の周囲は受け取った完走者の人だかりで、写真まで撮っている人までいてビックリ!あとでイケメンタキシードはSan franciscoの消防士さんのボランティアだと聞いてツカさんを思い出した!そんな心残り(笑)とどうにかサブフォーで走れたという満足感で、San francisco womens Marathonは終わった。

 今年のキャッチフレーズの〜 I run to be 〜(私が私であるために走る)とは少しずれるけれど、私のマラソンでの勝手な決め事「絶対に歩かない、絶対に後ろを見ない、絶対に諦めない」をやり通せた!あとの事を考えないでがむしゃらに走る事は、やめる勇気とは反していて、自己満足に過ぎないと言われるかもしれないけれど…。

 初参加の三浦マラソンから6年が経ち、数えきれないほどの大会を経験してきたけれど、今回のNIKE Womens Marathon は3年越しという思い入れが有り、最悪のコンディションでの参加という事も良い経験で、最高に楽しかったと感じている! 現に、まだ興奮覚めやらぬ状態で、今だにコースマップを持ち歩き、風景やオレンジの味、寒さや痛さを思い出して楽しんでいる(笑) 今までに、こんなに大会の経験は無い。もちろん、良いタイムを出せれば記念の大会となったし、反省すべき点も沢山あるけれど、負け惜しみではなくその時の最大限の力を出し切り、キャッチフレーズに近い気持ちで完走出来て満足している!

【結果】
 グロス 3:59:06
 ネット 3:57:09
 エイジ 7位/273人
 総合  337位/4788人

 エイジ優勝の方とは約20K過ぎ地点までほぼ同タイムで走れていたのに、25K地点では20分も離されていた。足がつり鎮痛剤を飲む前から徐々にペースが落ちていたことがわかる。その後、30K地点では29分まで差が開きゴールでは27分差という結果だった。ちなみにこんなタイムでしたが、BostonMarathonのクォリファイを頂いてビックリ!エントリーの関係で再来年まで有効とのことで、平成24年にと考え中…。


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