2009-11-29横浜ハーフマラソン完走記「届かぬフダ!!」屁の河童

 毎年、11月の2週目に行われている横浜マラソンが、今年は横浜国際女子マラソン第1回が開催されたために、11月4週目の29日(日)に行われた。毎年恒例の大田原マラソンに出場する私にとって、横浜ハーフマラソンはちょうど良い時期のレースだったが、今年はフルマラソンを走って、一週間後のハーフマラソンレースになった。

 当日は、曇り空で風の強い朝となった。集合場所に着き、ゼッケン、チップの準備をしながら「フルマラソンの一週間後のハーフは、やはりきついなー!!なぜ?10Kmにしておかなかったのかな?」とつくづく思うのだった。しかし、昨年からご一緒させていただいている佐江子さんを誘っての出場なので、やはり自分がハーフをしっかり走らないと、と気を引き締め、佐江子さんとキヨと3人でアップに向かった。

 寒さで体が冷えていたのか、アップに向かった途端、先ほど済ませたばかりのトイレへまた行きたくなり、そのままホテルのトイレへ直行。トイレでもたもたしている間に時計は、な・な・なんとスタートの3分前、えー、そんなー、とキヨの後を追って猛ダッシュでスタート地点へ向かう。(キヨが16Kmの関門でひっかかった要因はここに最大の原因がある。・・・)

 またやってしまったかー!!スタートの合図前になんとかスタート地点に到着できたものの、最後尾からのスタートとなった。同じようなことを何度繰り返しても学習しない自分を少し腹立たしく思いながら、スタートの合図で腕時計のストップウォッチを押す。フルの疲労は残っているだろうけど、何とか、1時間35分台で走りたい!!と自分に言い聞かせる。ゆるゆるスタート地点へ到着し、流れに乗って走り出す。他の人と腕がぶつかったり、足を踏まれたり、なんだか思うようには進めない。計画性のないスタートを切った後悔が重くのしかかる。

 最初の1km、時計は7分近くかかっていた。これにはさすがに面食らった。ダメだ、ダメだ、1時間35分で行くにはこれではダメだ。そこからお尻に火がつき、人の間を縫ってとにかく行けるところまで前を急ぐことに徹した。2km、3km、5km、ちょっと飛ばし過ぎかな、いや、行かなきゃ、何が私をそこまで突き動かすのか?

 幸いにも昨年まで2年連続して10位に入賞できた。ゴールした時に入賞のフダをかけてもらう瞬間は、普段の日常生活やトレーニングを自分なりに頑張ってきた私へのご褒美をいただいたようで、やってきたことが間違いではなかったと認められてようでうれしかった。表彰台に上がるよりも感激する瞬間である。だから今年も1時間35分でゴールできれば、フダをかけてもらえるのでは、との思いであった。その思いの実現に向けて7kmまで順調に突っ走る。ここから少しきつくなるが、同じペースの人たちから遅れはしていない、と首を回したり、手を振ったり、肩を上下に揺すったり気分転換をはかり前へ進む。10km通過、45分47秒、やっとキロ4分30秒まで取り戻せた。と安堵するのも束の間、これから訪れるコース、14km付近の高架下、16km付近の登りをどのように走るか、シュミレーションし、今のスピードを落さないように走るぞ、と自分に言い聞かせる。冷たい風を刺激に更に前を急ぐ。

 本牧陸橋の往き11.6km付近登りは、さすがに左ふくらはぎが突っ張ってくる。気のせいだよ、と意識を違うところに向けようと思うが、痛いものは痛い。しかし、早々と折り返してくるランナーの姿に、皆、それぞれに自分と闘っているんだ、と元気をもらい、腕を大きく振って走る。私が折り返して、13.5km過ぎ、キヨに声をかけられる。キヨも頑張っていることがわかり、また、元気が出た。いろんな元気のおかげで、16.5kmまで、そのままのペースで順調に走り続けられた。特に、本牧デュアスロンのコースは慣れたコースなので快走できた。

 あと5kmのところで、時計は1時間08分、すでに疲労で足は固まっている。ここからは気力との戦い。残りをキロ5分で走っても、まだ2分余裕がある、と頭では思うが・・・、スピードは完全にガクッと落ちているのがわかる。気持ちも、だましだまし行くにはもはや限界かも?しかし、今年最後のレースを気持ち良く終わるにはここであきらめるわけにはいかない、と最後の力を振り絞って、一歩一歩でいいんだ、とゴールに向かう。ラスト2kmは、本当にきつかった。新山下橋を下り終わって最後の直線約300mは、登録選手のゼッケンを付けた女性とデットヒートになり、何とか競り勝った。やはり最後はあきらめない気持ちが大事だ。

 しかし、ゴール後、首にかけてもらう入賞のフダは、今年はなかった。それでも自分の目標タイムで走りきれた満足感は少なからず得た。改めて、一分一秒の時間の大切さ!を肝に銘じた今年最終のレースとなった。


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