2009年 城南アクアスロンシリーズキヨ

[城南アクアスロンシリーズとは]
 城南アクアスロンシリーズをご存知ですか。
 これは、都内南部で8月から10月にかけて5戦行われるアクアスロン大会で、東京都トライアスロン連合に加盟する渋谷、目黒、世田谷区トライアスロン連盟などが主催しています。渋谷や目黒の方々とは新島大会に何度か一緒に参加し、顔見知りの人も少なくありません。練習会やイベントなど、積極的に活動されています。
 このシリーズは何れもスイムはプールで行われ、距離は成人がスイム300m、ランは大会によって1.5k〜4kまでの、超スプリントです。参加者は、成人の他小学1年生から、中学生まで(高校生は一般成人の部に入ります)と幅広く、小学校低学年はスイム50m、ラン500mの距離設定です。また、親子ペアの部もあり、アットホームの雰囲気に溢れています。それでも、競技が始まると、子どもから親、親から子どもへの応援はヒートアップし、相当な真剣モードに入ります。
 このシリーズの特徴は、参加費が300円〜1,000円であるにも関わらず、スポンサーが充実しているため、賞品や、レース後のジャンケン大会で獲得できる参加賞はかなりの驚きものです。また、シリーズ全戦を通じてのポイントランキング表彰もあります。このため、成年男子には学生のトップクラスも参加する他、男女通じて30、40歳代には実力者もおり、決して草レースとは言えない大会です。今年は、私が第3戦の渋谷と世田谷、洋子が世田谷に参加しました。

[渋谷大会] (9月18日)
 会場は、京王線幡ヶ谷駅近くにある渋谷区スポーツセンターの25mの温水プールとグラウンドです。距離はスイム300m、ラン1,5km。スイムは4つの角から5m程内側に人が立って、その周りを半時計回りに6周回します。ランはグランド内に設けられたくねくねとしたコースを3周回です。年代、学年別に各組概ね20人ずつに分かれてのスタートとなります。
 スイムスタートは幅5m程しかありませんから、直後はとんでもないバトルになりそうです。そのため、短い距離のスイムではそれほど差はつかないと考え、無理をせず力を温存するという進め方もあります。無駄な力を使わず、かつ、ストリームラインに入れば楽に泳げるでしょう。しかし、私にはそのような「大人」のレースをするつもりはサラサラありません。スタート最前列の一番外に位置取りし、最初の20mを猛ダッシュ、第1コーナーで外から回り込み内側の人を押さえ込む、という戦略を選びました。40歳以上の組で、スイムだけは負ける訳には行きません。ただ、スタート前のアップでかなり速い泳ぎをしている人がひとり。気がかりです。

 スタート直後、いい感じでダッシュできました。しかし、案の定、内側に一人、並んでくる人がいます。そこで、コーナー手前で思い切って内側に切り込みます。バイクで言うところのアウト・イン・アウト、という感じでしょうか。ここではまだ、体半分だけしか前に出られません。そこで、第2コーナーでも同じコース取りをしました。そうすると、完全に前に出ることが出来、相手の手が私の足の裏に当たるようになりました。後は行くだけ、です。
 2周目、3周目、相変わらず、後ろの人の手は当たり続けます。でかい私の後ろだと泳ぎやすいだろうな、と思いますが、これは私の選んだ作戦なので、最後までやりきるしかありません。ところが、4周目辺りから周回遅れの人が前を塞ぐようになってきました。プール壁との間は1.5コース分の幅しかないので、なかなか思うように追い越せません。結局、2度、立ち止まらざるを得ませんでした。それでも、何とかトップを譲ることなく泳ぎ終えました。2位の人は、最後まで私の真後ろにいました。トライスーツを着ていたその人は、私がランニングシャツを着ている間にサッサと走り出して行きました。1.5kの短距離走では簡単に引き下がる訳にはいかないところです。が、1位の速いこと、あっという間に100m程差を付けられました。3位とはランスタート時で30mほど差がありそうなので、この組での2位キープが取り敢えずの目標となります。

 終わってみれば、40歳以上の部で7位。50歳以上に限れば2位でしたが、その1位は同組トップの人でした。僅か20分そこそこのレースでしたが、他者との駆け引きなどレース展開を存分に楽しむことができました。ラン練習が普通に出来ていればもっと面白さを感じることができたでしょう。50歳代1位の人も、次の世田谷大会に出るでしょう。私はやはり、心身ともに短距離向きに出来ているのかも知れません。

[世田谷大会] (9月23日)
 会場は、砧公園に隣接する世田谷総合運動公園内の50mの温水プールと、陸上競技場のトラックを含む公園内ランニングコースです。スイムは300m、ランは3.1kで、渋谷と比べると、ランの比重が重いです。
 今の私にとっては、3.1kはハーフマラソンに匹敵する距離。しかも、参加者名簿を見ると、案の定、渋谷50歳代1位の人の名前も載っています。仮にスイムで勝ってもランでは勝負になりません。また、今回は50mプールなので、第1コーナーまでダッシュするのは辛そうです。渋谷の時と同じ戦略でよいものかどうか、迷っています。
 スタートは取り敢えず渋谷と同じ、第1列の一番外に並びます。しかし、曖昧さが、そのまま結果に出て、ダッシュをしきれず第1コーナーで内側から2人、体半分、前に出られました。そうなると、もう無理な追い越しは出来ません。ただ、前の人の足に触れるほど近づくような「大人」の泳ぎをするつもりもありません。2,3mの距離をおいて後に付きました。この隊形のまま最後まで行きそうです。
 私の後ろから一人、ずっと私の腰の辺りをストロークして来る人がいます。かなり煩わしく感じるのですが、2周目に入り離れて行ったようです。足の裏はしょうがないとしても、腰を叩き続けるというのは、いかがなものか。スイム終了時にはその人は30m程離れていました。もう少し周りを見て、自分の力と相手の力を見計らいながら泳いでもらいたい、と思います(海のレースでも)。
 ランに入ると、予想通り、大苦戦。前の二人は、あっと言う間に見えなくなりました。今回は何人かに追い越されました。50歳代だけでも3位には入れませんでした。

 私がゴールした時、成年女子の部はラン3周回の内、2周回目に入っていました。他の組や周回遅れの人もいるため、正確な順位を把握することは出来ませんが、元気のある走りをしている女性が洋子の50m程前にいます。恐らくその人が1位で、洋子が2位ではないか、と思われます。前に追いつくよう、声を掛けます。
 洋子から100m程後から洋子以上の走りをしている高校生くらいの女性が追ってきます。この人は姉妹でトライアスロンに取り組んでいるようで、このシリーズの優勝常連者でもあります。この人の方も気になります。そして、最後、陸上競技場のトラックに入ってきた時、元気の良い女性との差はもう、100m程に開いており、後の高校生には20m程に迫られていました。その勢いの差のまま、残り200m位で追い越されました。洋子がゴール手前で抜かれる、というのもお目にかかったことはありませんでした。やはり、高校生には敵わない。3位だな、と諦めました。
 ところが、表彰式の時にはじめて分かったのですが、前を走っていた元気の良い女性は、実はスイムが極めて苦手で、周回遅れの人だったのでした。後の祭りと言えばそれまででしょうが、最後の200m迄、実は洋子がトップだったのでした。それであれば、無理に前の人を追わせず、後の高校生だけ意識して走らせれば、最後に息切れすることはなかったのかも、知れません。1位になれず賞品の、市価13,000円のスポーツ用ストッキングと、宮古島製泡盛を逃してしまいました。

 鉄人の方達には物足りない距離であると思いますが、たまにこのようなレースも、何時もと違った面白さも感じることができました。


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