2008-6-15 第22回NISSAN CUP 神奈川トライアスロン大会に参加して 助さん

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プロローグ
 事の始まりは、11年前...毎年、夏休みには北海道ツーリングを楽しんでいた。オフロードバイクで8年間、ビックバイクで2年間、アクセル一つで1日に500kの距離を移動できた。何の不満も、ストレスも感じない楽しい旅だった。富良野の少し北にある美瑛が好きで、必ず立ち寄っていた。丘の向こうから、風が流れて来るのが見える。そう、麦の稲穂が風の流れを教えてくれる。耳をすますと稲穂が揺れる音と風の音が聞こえる。私のGSX−1100のヨシムラサウンドが耳障りで、その時の光景にマッチしなかった。そうだ、来年は、自転車でツーリングしよう。そして、この丘で風の音と、草の匂いを楽しみながら、赤ワインと、フランスパンと、チーズで、昼寝しよう。!!、この思いから98年の北海道自転車ツーリングに向けて、マウンテンバイクを買って、練習の為に週末の日産工場の周りを走っていたのが10年前...NISSAN CUPトライアスロンと巡り合うきっかけは遠い遠い北海道から始まった訳です。余談ですが、98年は、中標津空港、厚岸、釧路、帯広、富良野、美瑛(もちろん赤ワイン、フランスパン、チーズで昼寝をする為に2泊)、旭川空港を1週間かけてスローな旅を楽しみました。
 98年のNISSAN CUPは、10年前ですから、12回の時です。そう、あのスイムスタートのフェンスのところで見ていたのを思い出した。10年後に出るなんて...その時はこれっぽっちも想像していませんでした。誰かが、「一つ一つをやると辛いけど、三つ全部一緒にやると楽しんだよー」て...「そんなわけ無いだろう!!」が、その時の私の感想でした。

 その後、トライアスロンのことは忘れていた。結婚し、子供が出来、ごく普通のメタボなおじさんに一直線だったころ、幼稚園の役員を引き受けたことから、週末に出かけることが多くなり、その移動手段として、Bianchiを手に入れ、少し運動しないとなーから、園の走る会に参加し...あの、10年まえのNISSAN CUPが蘇ってきた...インターネットで、検索して、横浜鉄人クラブを見つけて、しばらくROMして、「俺に出来るのか」の自問自答で1年以上、やってみるか!で、この世界に飛び込んできた。

 横浜鉄人クラブに入って、半年、いよいよデビューの時がきた。土曜日は少し緊張していたようだが、ゆっくり寝れた。受付が8時15分からなので、8時に家を出る。5分前に着いたのに、すでに人があふれている。受付で、イヤミとせっつに会い、朝のご挨拶、「おはようございますー」「みんな、むこうに、いるよー」えー。もうきている。すっかり陣取りも終わっている。完全に出遅れている。レースする前から、負けてしまった。とほほ。

前振りはこれぐらいで...レースの感想へ。

スイム
 いよいよ、この時がきた。不安はあるが緊張はしていない。苦手なスイムだが、泳ぎきれる自信はあった。1ヶ月前の練習を思い出す。25m、60往復、3Kを1時間20分で休まずに泳いだじゃないか。ウェットのおかげで浮いてもいられる。あとは手を回すだけだ。さあ、いくぞスタート。初めのブイまで、ぶつかる、けられる、これがバトル、きにしない、こっちも一生懸命泳ぐ、また誰かとぶつかる。ゴーグルを飛ばされないように注意する。なるべく接近しない様にするが、逃げることはしない。右呼吸の私には反時計周りは不利だな、左呼吸も練習しないと。右の岸壁との距離を測りながら、泳ぐ、たまにヘッドアップしてブイを確認する。これの繰り返しだ。疲れたら、背泳ぎで休めばいいや。やがて1周終了。タケ2の「肩じゃないよ。肩甲骨で回すイメージだよ。」のアドバイスを思い出す。まだ腕は回る。そんなに疲れていない。気持ちも落ち着いている。1周の距離感がつかめた。今のをもう1回と思うとさらに楽になった、さっきと同じ、岸壁との距離をはかり、ヘッドアップしてブイを目指す。最後のブイを回って桟橋に向かって...スイムアップ。37分44秒、あーそんなに長いこと泳いでいたのか。意外と短く感じていたので意外だった。まだあまだ元気だ。

バイク
 トランジッションエリアまで小走りで、ウエットを腰まで脱ぐ。バイクのところで片足上げてウェットを脱ごうとすると、あーあれ、体がふわふわしている。しりもち、その格好でウエットから足を引き出す。体がまだ浮いていることを学習しているようだ。大丈夫かな?、ちょっと不安がよぎった。置いてあった栄養ドリンクを、一口飲み気持ちを落ち着かせた。バイクシューズを履いて、サングラス、ヘルメット、いよいよバイクスタート。6周。前のかごに、ミニ大福を6個いれてある。1周ごとに1個食べることにしていた。途中で、カズさんに、尻を叩かれエールをもらう。早いなー。そして、ジョージが抜いていく。テストコースを走るのはいい思い出になるな。草の匂いがして、北海道の大地を思い出す。高速周回用のバンクはすごいな。まるで壁だ!テストコース以外のところは結構路面が荒れている。ハンドルにつけたかごに入れてあったゼリーを1個落としてしまった。これは、失敗だったな、かっこ悪いし...せっつに笑われちゃったし。次回はやめよう。5周目を終了したところで、嫁と子供たちの応援を受けた。子供たちは前日、応援の旗を作っていた。その旗を振りながら「がんばれー」の声に後押しされ最後の1周へ。テストコースに別れを告げ、トランジッションエリア近くまで戻ってくると、下の子が走りながら旗を振って追いかけてくる。「まだ、ランがあるから、お母さんの所にいなさー」と声をかける。係りの人にも止められたようだ。...バイクアップ。1時間32分30秒、結構かかったなー。だいぶ疲れている。

ラン
 シューズをはいて、さーランスタート。あぅー足が上がらない。2週間前の自主トレ(10kラン+60kバイク+10kラン)の第2ランを思い出す。あの時も、足が上がらず、太ももが痛く、何度も止まってストレッチ、屈伸運動した。練習不足だ。後悔しても始まらない。遅くてもいいから、一歩一歩、足をだす。「いつかは終わる」「時間が解決してくれる」今度はヨッシーのアドバイスを思いだした。周回ごとに水を頭からかけ、一口補給する。すれ違うクラブのメンバーと励ましあう。ヨッシー、イヤミ、隊長、イチロー、タケ1、パナ、応援のタケ2、せっつ、ひろちゃん、ビーン、そして家の嫁と子供たち。ツカ、ジョージ、カズ、キヨ、港のヨーコ..長いつぅの、上位陣は既にランアップしているのだろう。最後は、会長のイヤミと一緒に話しながらジョギングペースだが、最後まで歩かなかった、止まることもなかった。いよいよフィニッシュが見えてきた。デビューできたんだ。これで、横浜鉄人クラブの仲間入りが出来たんだ。つらかったけど、この瞬間がなんともいえない。...ランアップ。55分58秒、キロ5分35秒ペース、もう少し行けたかな。

フィニッシュ
 フィニッシュを嫁と子供が向かえてくれた。最高にうれしかった。海水と汗と水で汚れきった私に向かって二人の子供が走りよってきてくれた。ハイタッチで健闘を称えてくれた。いま、思い出しても目頭が熱くなる。トータル3時間6分12秒、目標の3時間は次回のお楽しみに...来年もこの場所に居たい。そう思った。みんなに支えられ、一緒に練習し、くじけそうなときは励ましてくれた仲間と家族に感謝した。10年前に聞いた「一つ一つをやると辛いけど、三つ全部一緒にやると楽しんだよー」は、本当だった。

 この日は、父の日。夜は、嫁の両親と焼肉を食べに行く約束をしていた。表彰式を早々に抜け出し、家に帰って、シャワー浴びて、体重量ると、前日の夜から3K減っている。レース中に、ミニ大福6個、ゼリー食品1個、アミノバイタル500ml、フィニッシュしてから、バナナ1本、カレー(大盛り)を食べているのに...焼肉食べて、ビール飲んで、次の日には、元に戻っていた。

 次なる目標は、イチローとの対決シリーズ第2弾。湘南国際マラソンフルデビュー戦。いつかはロングのトライアスロンに挑戦したい。が、今の体力じゃ、無理があるな。まあ、あせらず、着実に伸ばして行こう。最近は、月間のラン距離が徐々に伸びている。

 「目標?、ハワイだよ〜」なんて夢を口にすることが出来る日が来ることを信じて...


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