2008/4/20 遠くて、遠い宮古島 おスギ

 「宮古島は、海がきれいでいいレースだ」といろんな人から聞いていたが、なにせ4月のレース。真冬に練習をしなくてはならない。制限時間も厳しい。しかも競争率が高く、なかなか当たらない。私には一生縁のないレースだったはずが・・・・
 時は、2007年3月9日。ハワイにいるshokoちゃんが帰国。10数年前に一緒にパワーバーさんのレースに行った金丸夫妻と一緒にお食事会。そこで、「久しぶりに、またみんなでレースに出たい。一緒に来年、宮古に行こうよ」と・・・・。
 なんだ、かんだで重い腰(お尻?)をあげ、5年ぶりにトライアスロンを再開する。そして9月、佐渡B(Swim2km、Bike105km、Run20km:8時間00分51秒)を完走。
 次は、宮古。佐渡の約1.5倍、ランは2倍の距離。まだまだ練習が足りない。まずは鉄人の横浜〜湯本ラン(10月)に出て、一本ぐらいはフルマラソンに出なくっちゃ。とりあえず、フラットのつくばマラソン(11月)。もっと練習しなくちゃ、まだまだ足りない。
 と、あせっていた矢先、12月に骨折。「練習は禁止です」とお医者様の声。あせる気持ちとホッとした気持ちが入り混じった。
 そして、宮古落選通知。正直、ホッとした。練習不足の不安と焦りから開放された。私の宮古話は、ここで終わるはずだった・・・。

 2月7日、出場決定通知が届いた。12月に届いたのは「落選通知」ではなく、正確には「キャンセル待ち通知」だった。
 えっ、どうしよう。今さら・・・。練習していないし・・・。でも せっかく当選させてもらったんだし・・・。どうしよう・・・。鉄人のみんなに言う前に、どうするか自分で決めなきゃ。
 決めきれず、2月10日(日)鉄人のデュアスロンの朝を迎えた。雪の路面を国際プールに向かって走るバスの中、本吉さんと松岡さんにおそるおそる言った。「宮古受かったんですけど・・・」「練習するしかないよ」の一言。やはり・・・

 それから、私の宮古への道が始まった。とにかく練習しなきゃ、バイクに乗らなきゃ、あせる矢先の蒲郡出張(3週間)。蒲郡でも走らなきゃ、帰ってきたら自転車に乗らなきゃ。石島さんはこんなに練習してる、えー、平日も自転車に乗ってるの?! やばい、やばい 私、練習が足りない。今日は、午後、名古屋入りだから、午前中自転車に乗ろう。風邪を引いた。休めという神の声?!
 37歳、フルで仕事をして、主婦業に、ちょっと母親業、体重は、おデブちゃんだし、練習量も足りないけど、今の私には、今の私にしかできないレースがある。開き直るのではなく、その事実を受け止めて、「今」私が出来ることをすべてやって、スタートに望もう。それで、ゴール出来なかったらそれまで。でも それは嫌・・・・。完走したい・・・。
 お風呂に入りながら、果たして時間内にゴールできるのかと考えたら不安になって涙が出てきた。そんなとき、安川さんの「さあー頑張れ!」メール。そうだ、私一人じゃない。仲間もレースをしてるんだ。

 レース前日。ゆずの「栄光の架け橋」の歌がTVから流れた。
 「・・・不安で、ふるえていた夜があった。もう駄目だと嫌になって逃げ出そうとした時も、思い起こせば こうしてたくさんの支えの中で歩いてきた。・・・・いくつもの日々を越えて、たどり着いた今がある。だから、もう迷わずに進めばいい。栄光の架け橋へと・・・」
 聞いていたら、泣けてきた。そうだ、もう迷わず、ゴールへ向かって走り出そう。今回の私の持ち駒(今年1月からレースまでの練習量)は、Swim38km、Bike965km(おい、おい、ジョージさんは二日で500kmだよ)、Run238km。十分かどうかはわからないけど、ここまでやってきた自分を信じて、やれることをやるしかない。

 レース当日。落ち着いていた。着々と準備、ストレッチ、トイレ。
 6:30に中村さん、ジョージさんと健闘を誓い合う。周りを見ると、水着はいない。目立つ目立つ。わージロジロ見られて恥ずかしい。別に速いわけではないんだよ。貧乏なだけなんですけど・・・。

 Swimスタート。端からゆっくり泳ぎ出す。水温は暖かい。川島さん伝授のワセリン効果はすごい! ワセリンを塗ったお腹は水を感じないじゃん。これ全身に塗ったらウェットいらないんじゃない?!
 あれ、コースロープの横まできちゃった。やばい、バトル。もーおやじぃ、曲がってくるなよぉ。てめー引っ張ったな。お前だけには、負けない。やっぱり水着は泳ぎやすい。足も自由だし、平泳ぎしても楽だし。
 さほど、潮の影響もなく泳ぎやすくゴール。1:03:34。いい感じじゃん。

 Bike。テントに行くと、絵里ちゃん(金丸)がいた。わー絵里ちゃんに会えて、嬉しい。
 では、スタート。バーイシコ、バーイシコ・・・・バイシコ、・・・バイシコ(QUEENの「Bicycle Race」って曲です)って鼻歌交じりにスタート。「1周目は頑張らないこと」とシーポの田中社長に、後輪を入れてもらった時に聞いたから(後輪を自分で入れられませんでした・・・。ちなみにはずすときは、宮塚さんがはずしてくれました・・・)、飛ばさない、飛ばさないと思ってもスイスイ30kmぐらい出てしまう。いけない、いけない落ち着いて。
 いつもながら抜かされることも多いが、抜かすことが多い。(いつもは抜かすことはない) えーーー、楽しい。「風が強いときは、軽いので回すより、重いので回す方が進むように思う」と中村さんから聞いていたので、前の大きいギアに入れて、こいでいた。
 下りは飛ばして、反動で登ると。そう、デブには、デブの戦い方あり。デブのデブによるデブのための戦い方だぁ!!楽しい、楽しい。これはひとえに昨日バイクコースを回ってくれた中村さんのおかげ。コースがわかるから、登り坂の心の準備ができている。ウヒョー、こんなに自転車が楽しいのは、初めて。抜くけど、相変わらす片手でボトルを飲めないからエイドの度に止まって、食べて、飲んで。でもエイドで抜かれた人達を抜き返す。抜くって楽しいのね。
 14:21 えーっと、あと6時間半あるのね。よかった。貯金40分(15時あがりの予定だったので) Bike 6:19:39

 Runスタート。とにかく、まずは折り返しまでは走らなきゃ。沿道の応援がすごい。「ワイドー!」に「はいっ」って答えていたけど、きりがない。答えなくてもいいのかなぁ。答えなきゃ悪いよなぁ。自問自答。やっと静かになった。こころおきなく、走れる。
 登って、下りてばっかりなんですけど。また上りぃー。みんなを探したいけど、もー無理。探している余裕はない。とにかく自分の走りをしよう。行きは上り、帰りは下りだと信じて。
 山本君に声をかけてもらう。はえぇーー。
 エイドステーションで、中村さんに会う。「頑張りましょうね!!」
 エイドで、剛君(金丸)に会う「少し前に絵里がいるよ」 
 絵里ちゃんに声をかけてもらう「大丈夫だよ。これなら完走できるよ」
 折り返し前。急坂。でも歩かない。絶対に走る。佐渡Bなら、これでゴールなのに・・・。折り返し16:57。よし、4時間ゲット。あと20kmを4時間あれば、完走できる。とにかく、一歩一歩前に進むしかない。宮古のランが大変だなんて知らなかった。もー宮古は嫌だ。来年リベンジなんてやだよ。今、いいレースをするぞ!! 

 あと、13km。Myランニングコースだと多摩川〜渋谷だ。んっ、沿道の声に答えられないなんて、私 頑張りすぎなんじゃない? 本吉さんに「頑張らず、楽しんで」と言われてた。そうだ、こんだけ応援してくれるレースなんてないんだから、宮古のレースを楽しまなきゃ。それに答えられないのは、まだまだ私が弱いから。にっこり笑って走れるぐらい練習しなきゃね。
 あと、7km。うちから日産スタジアム一周コース。ここで歩いて後悔なんてしたくない。今、この瞬間のために ずっと練習してきたんだから。
 ラスト2km 滝川さんが「杉浦さん、頑張って」と応援してくれた。「頑張っているよぉ」と頑張りをアピールしてみる。
 そして、ゴーーーール。13時間切ったよぉ。荷物を引き取って、もー無理。座ろう。終わったぁーーー。バーン、バーン。花火が上がった。ゴール:12:55:07(Run5:31:54)
 鉄人の皆様、ゴールして、グランドで花火を見ましたよぉ。あっ報告しなきゃ!!

 後日談。翌日は、なぜか5:38に目が覚め、することないので、ジョギング。道に迷って散歩。標識を見ながら、競技場へ。昨日の興奮がうそのように、だれもいない競技場。
 つわものどもが夢のあと。一人、競技場に寝ころんで、空を眺めてみる。この一年よくがんばったな。雲がゆっくり流れていく。
 羽田着。携帯のスイッチを入れたら、対馬さんのメール「・・走っているときはつらいけど、終わっちゃうとさびしいんですよね。そして また申し込んでしまうと、こういう仕掛けですね。」 ギクッ。そうなんですよね。それで、また申し込んでしまう・・・・。
 あーー、ダメダメ。まずは、休養、休養!!

謝辞:
レースに誘ってくれた昌子ちゃん、Jayさん、剛君、絵里ちゃん
申し込みでお口添え頂いた中村さんのお母様、奥様
現地で何度も送ってくれた中村さんのお父様
ブログ、メールで練習中からずっと励ましてくれた石島さん
Bike練習で、246号をひっぱってくれた岩見君
大風の中、本牧で練習につきあってくれたヨッシーさん、岩見君
レースに出るか出ないかからBike輸送、練習状態といろいろご指導頂いた塚ちゃん
Bikeケースを貸してくれた川島さん
Bikeメンテナンスをしてくれたシーポの田中様、宮塚様、オミノのスタッフの方
Bikeコースの下見から現地でいろいろお世話になった中村さん&お子ちゃま達
パンクしないで、おデブの私を乗せてくれた愛車Kazuki号
現地で一緒にいてくれた落合さん、石島さん、石島さんのチームの皆様、絵里ちゃん&剛君、山本君&山本君のかわいい彼女様、中村さん
応援してくれた滝川さん、廣岡さん
休みをくれた会社と、上司&同僚の皆様

いつも、叱咤激励して頂いた横浜鉄人クラブの皆様!!
最後まで、笑顔で応援してくれた宮古島のボランティアの皆様、沿道の皆様!!

不安で、不安定な精神状態の私を支え、レース中 和希の面倒をみてくれた卓也さん
レースに参加することを一番に応援してくれた和希ちゃん

まだまだ書ききれないくらいの多くの方に支えられ、ゴールできました。
本当に、ありがとうございました。

追記:
1.レース
宮古島のレースは、いいレースです。大人だけでなく、小さな子供までボランティアをしてくれます。沿道の応援も、こころから応援してくれるのが伝わってきます。人が温かい。その分、アスリートもいいマナーで答えたいと切に思いました。(レース中でも、ゴミやボトルは決まった場所に捨てる等)

2.宿
「ペンションジロー村」は、おすすめです。食事付き。総合体育館から1.2km。歩いても近いし、自転車ならすぐです。歩いて「サンエー」というスーパーにも行けます。
自転車をしまった後は、無料でママチャリを貸してくれるので平良の町までもママチャリで行けます。ご飯もおいしいし、私は新館の綺麗なお部屋だったので、なおさら良かったんだと思います。JALのツアーでは、一番安い69800円(東京発、5日間)。同じ条件の東急リゾートが126800円ですので、半額近いです。

3.会計
ご参考までに会計をしめたら、旅費(74800円:行き6:55宮古島直行便、帰り13:05発羽田直行便 の追加料金2000円+4/18出発3000円追加料金)+レース料金(3万円)+自転車送料(往復14000円)+現地の食事+お土産+交通費等々で、合計16万円でした。
*練習用のバイクジャージは、含みません
レースも大満足、旅行としても大満足でした!!


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