2008-8-24 第23回トライアスロン中島大会 キヨ

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 8月23日から24日に、愛媛県松山市中島町で、第23回トライアスロン中島大会が開催されました。中島は、松山港からフェリーで約1時間、広島県境に近い周囲40キロ弱のみかん産地として知られる島です(2005年に市町村合併されるまでは、愛媛県温泉郡中島町という名称でした)。1986年6月に第1回が開催されて以来、1回たりとも、1種目たりとも中止になることなく続いている大会です。51.5キロタイプの為、皆生や宮古島ほど目立ちはしませんが、20年以上続けられている数少ない大会の一つで、毎年、150名前後の抽選漏れが出るほどの隠れた人気大会でもあります。

 中止になったことがない大会も、決して全て順風満帆に来た訳でもありません。島にとっての開催意義が問われていた時期もありました。また、台風被害で島内の生活道路やみかん畑が壊滅状態になった年、渇水で島民の生活水さえままならなかった年、重油の流出で大会前日までスイム会場が真っ黒だった年など、何度か中止の危機もありました。その都度、島民の方の「自分達はさておいてでも」との支えがあり続けられて来ました。地元中学生も毎年、ボランティアで大活躍してくれます。今では、宿泊方法の一つとしてホームステイ制度が取り入れられています。島内の旅館、民宿、公共施設では足りず、一般の民家に一晩、宿泊する制度で、これがかなり好評で、毎年、宿泊先を指定してくる参加者も少なくないようです。普通の島の人達と楽しい交流ができるのです。このように島を挙げての大会ですが、それは前夜祭で最高潮になります。

 開催日が23日から、と書きましたのは、その前夜祭があるからです。トライアスロンは、スイム・バイク・ランの3種目ですが、中島では前夜祭を楽しまなければ翌日、スタートラインには立てません。ひらめの刺身が並び、うどんとビールはお替り自由。毎年参加している人とも、初対面の人とも直ぐに打ち解け、会話が弾みます。さらに、今年は、城之内早苗さんの歌と、京都の舞妓さんの踊りも披露されました。城之内さんは、地元中島の方が作詞されNHKのみんなの歌で紹介された「この町で」を歌われました。舞妓さんは、この大会の常連で、京都から参加されている方のお母さんが唄の師匠をされている関係で置屋さんに特に頼んで来て頂いたそうです。全国津々浦々、トライアスロンは開催されていますが、舞妓さんの踊りが見られるのは中島くらいでしょうか。こうして中島の夜は更けて行くのです。なお、前夜祭終了後も、それぞれのホームステイ先では地元の人との語らいが続くのは言うまでもありません。

 レース当日は、前日までとは打って変わって快晴。レース中には35度前後になりそうです。私の個人目標は2時間35分±5分。あわよくば年代別3位以内も考えていました。ただ不安は、5月の潮来、6月のニッサンと上り調子だったのが7月の西湖の合宿辺りで頂点になってしまったこと。8月の中島に焦点を合わせようとしたのにかなり下ってしまいました。さらに、前日貰ったパンフレットを見た時点で全てを断念しました。毎年開催とは言え、その年によって開催日が1週間前後異なります。その関係で前年48歳だった実力者2名が、今年はいきなり50歳のカテゴリーに入っていました。誕生日が開催日の直前直後だとありえる話です。他に50歳台でこれも上位常連で、15分ほどの力の差はいかんともしようがありません。タイムだけを目標にスタートすることにします。

 スイムは浜辺から50mほど沖合いの浜辺に平行して張られたロープを時計回りに2周回します。水温は25度。ウェットは大会規定では着用義務ではないため、ヨーコと話し合って私達は着ないことにしました。着ていないのはほんの数人ですが、綺麗な海で泳ぐのには邪魔です。この大会だけは、第1回からウェットなしで挑み続けています。

 スタートはフロートなので、コース取りとしては、ロープ際まで行って待っているのが最短距離で良いのですが、中島のスイムのレベルはかなり高いのでバトルを避けるため、私達はいつも浜辺から最初の折り返しまで斜めに向かうコースを取ります。私はロープに近づくのが早過ぎて折り返し手前でバトルの中に入ってしまいました。その後もロープに近づいたり離れたりを繰り返しなんとなくペースの掴めないまま終始しました。ウェット無しが理由ではないのですが、何故か中島の海とは毎年、相性が合いません。浜に上がった時のタイムは25分50秒くらい。そこからバイクとランジッションまで400m程。さらにバイクスタート地点まで100m程。そこまでが大会記録上はスイムになります。ゴールタイム2時間35分の為には、スイム30分、バイク1時間20分、ラン50分を一つの目安とし、それぞれから1,2分ずつ貯金するように考えています。バイクスタート時は、29分台だったので、できれば後1分は縮めたかった。ヨーコは少し先を行っているようです。

 バイクコースは海岸沿いの片道10キロを2往復するものです。大きな坂はほとんどないのですが、岬を回るたびに風向きが変わるため、緊張感を切らさずにギアを変えていかなければなりません。また、西湖の北岸のようなコーナーが連続して続き最短距離をとるためにも気を抜けません。のんびり走れば瀬戸の青い海に浮かぶ緑の島影が美しいコースも、レースとなればなかなか景色を楽しむ余裕はありません。それでも、コース途中にある集落での中学生とお年寄りの声援がとても励みになります。折り返しの為、自分の位置が確認できますが、ヨーコとの差はほとんど変わらないままです。バイクラップで1時間20分を目標にするには、風向きによってスピードがかなり違ってくるので、今、時速何キロで走っているかというより、片道20分を目安にします。そこから更に1分くらいずつ貯金できれば良いのですが、結果、どれも丁度20分ずつで最低限の時間で終えました。

 ランに移る頃には気温も35度近くになりました。コースは、バイクと反対方向に片道5キロを折り返すものです。スタートしてから1キロも行かない内にトップの選手が帰ってきました。この大会には、地元愛媛県の今治市に本社を置く日本食研(「焼肉焼いても、家焼くな」という焼肉のタレのCMをご覧になった方もいらっしゃるかと思います)の実業団トライアスロン部に所属する選手が何人か参加していますが、その中の一人です。私がランスタートする前にトップにゴールされない、というのも一つの目標なので、ここでも何とか最低限はクリアーできました。出だしはかなり足が動いてくれて、2キロ通過は8分20秒。かなり早いとは思いますが、ランを50分で2時間40分になってしまうので、行ける所まで行ってしまおうと思います。大半が海岸沿いで、日差しが遮られることもなく、アスファルトからの照り返しが強烈です。ここでも心強いのは島の人たちの応援と、中学生が運営するエイドステーションです。4キロを過ぎた辺りでヨーコと擦れ違い、女性では4位のようです。前とは少し離れているので、3位入賞は厳しそうです。私の方も、キロ5分ほどまでペースが落ちて来ました。この4キロから折り返して6キロ地点がこのコースの中でも一番辛い所です。集落がないため応援もおらず、入り組んだ海岸線で次のカーブまで近いようで遠い。ここさえ我慢できればフィニッシュテープが待っている。

 終わってみれば、ランラップは50分を少し切ったところでゴール。スイム30分、バイク1時間20分、ラン50分、トータル2時間40分という、どんなに悪くても、という記録で、しかも、各種目ごと記録も割り振りどおりに終えらました。中島の年代別は10歳刻みなので、次のチャンスは9年後。それまでに10分短縮できそうな気もする結果です。

 「51.5キロの為に四国まで」、と言うのはあるかも知れませんが、23年も続いているのは、やはり、それだけ魅力のある大会です。毎年8月第4週に開催されます。夏休みを兼ねて、ご家族で1度、参加してみて下さい。

 
参加費(前夜祭含む)           \17,000
家族の前夜祭参加費(中学生以上)      \3,000
宿泊費(ホームステイ、民宿、旅館による)  \2,500〜\5,000
往復交通費 飛行機(羽田〜松山)     \60,000
JR(横浜〜松山)             \40,000
夜行バス(東京〜松山)          \21,400


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