2008/8/24 母なる珠洲大会 ジョージ

写真は ⇒こちら

第19回トライアスロン珠洲大会 Aタイプ
5:53:29 S 54:21(61位) B 3:12:51(10位) (SPLIT 4:07:12 19位) R 1:46:17(13位) 総合12位 年代別25-29M 2位

はじめに
 珠洲は僕にとって特別な大会である。それは、デビュー戦となった超極マイナー大会の舞鶴トライアスロン(参加者30名程)以降、ほぼ毎年参加しているということと、家族で一緒に参加する毎年の恒例行事になっているからである。今年で8回目の参加になる。個人的に僕を育ててくれた大会だと勝手に思っている。

 今までのタイムと順位を遡って見てみる。いつも通りだらだらと書くのもアレなので少し趣きを変えて、順位を示した折れ線グラフと説明の表にまとめてみた。

※1 Aタイプ…珠洲ではロングと呼ばれるが、一般的に言うミドル。 S2.5km-B100.2km-R23.3km
※2 Bタイプ…普通のショートよりもバイクが10km程長い。 S1.5km-B50.1km-R10km

練習
 皆生のあとしばし休養し、7月に痛めたふくらはぎは完治。琵琶湖一周(200km程度)も敢行。さらにお盆休みを利用し、大学の時の仲間と滋賀で8月二回目の琵琶湖一周を含む合宿を張る。特筆すべきはバイク。珠洲本番を含めると初の月間1000kmになる練習量で自信を付ける。長期休み明け出社で既にヘトヘトのパターン(笑)

新アイテム
ランニングシューズ
 デビュー戦から10年履いたアシックストライアスロン用シューズT3-JJを卒業し、新シューズにまたアシックストライアスロン用シューズT3 LSを新調。新アイテムを持つと気持ちが高まる。無性に、走りたくなる。

ヘルメット
 勢い余ってエアロヘルメット(いわゆるトンガリ)を購入。CEEPOに乗ってトンガリでちんたら走ってたらカッコ悪いことこの上なし。なにがなんでも速く走らなければ。

カーボンウィング
 遂に買いましたカーボンウィング。要はサドルの後ろに付けるボトル入れ。アルミ製とカーボン製とがあったが、CEEPOに似合うものはと考えると値段が3倍するカーボンを清水買い。だいぶ値段が張ったもののこれで何度となく心配してきた給水問題が解決。

 なお、ヘルメットとカーボンはネットで安い店を探しまくって、発見した英国の店でドキドキしながら注文。送料を含めても日本で買うより4割くらい安い値段で購入成功。あのウ○ムラパーツより安いんです!

金曜日
 仕事を強制終了し、CEEPOと新幹線に乗り実家京都に帰る。輪行って色々疲れますよね。「そこの庶民!!CEEPOにブツかるな!」みたいな(笑)でもやっぱり、デカくて邪魔ですね。。。みなさま、すいません。

 帰って支度して就寝。毎度のことながらなんだかんだでわりと遅くなる。

土曜日
 朝6時30分に出発。車の屋根に兄、自分、弟の3台を積んで出発(1台は郵送)。CR-Vでも5人3台はなかなか窮屈。でも、運転は兄父自分の三人で回すので、特に苦ではない。家族旅行みたいなもんだ。到着後、車検、説明会へ。

説明会
 初めてきた時からずっと同じ人が毎回同じ説明(笑)でもそれで今年も帰ってきたという気分になる。コースの説明とリタイアの仕方給水の仕方が中心で、ドラフティングゾーンの説明などはない。珠洲はほのぼのとした雰囲気が最高。例年参加者が減少傾向だったが今年はかなり久しぶりに増加。初の試みでゲストで宮塚さんがオープン参加。

宿
 珠洲では最高クラスの珠洲ビーチホテル。スタートゴールにも近く、確かにいいホテルだが、天皇が宿泊されたこともあるということでなかなかの値段。(お父さん毎度ご馳走様です笑)なんでも、お風呂がいいのとスタートを見送った後に一旦戻れることもあって、ここは母が譲れないとのこと。食事も最高。

前日練
 昨年は、父が前日練で、還暦の前祝に家族からプレゼントされたフルカーボンの自転車のほぼ初乗りで、勢い余って飛ばしまくって不評を買っていたが、今年もけっこう飛ばす(笑)通勤バイクの効果が現れたとのこと。対費用効果はタイヤが一番と聞いて、それならばと思い、お盆休みに帰ったときに父と兄のタイヤを決戦用のタイヤに履き替えさせたのも少しは効いているのか!?お古のタイヤは僕の練習用へ。タイヤがどんどん磨り減るくらい練習しないと。

 夕方に行った海はかつて見たことのないような荒海。例年は300〜500mほど泳いでみるが、波が尋常ではなく、沖に出ることもできないほど。流されていってしまってはしゃれにならないので、その日は、スタート後のオルカ泳法の確認。波の下に潜り込むことによって潜り抜けることができる。湘南の海で習ったことだ。荒波のおかげで結局全然泳げなかったが、ボディサーフで波乗りを楽しめたから、よしとしよう(笑)

 明日の準備をして(4人がああでもないこうでもないとヤイヤイ言いながらだと時間がかかる)、天気を心配しながら就寝。天気予報では雨のち曇り。海は大丈夫か。微妙なところだ。雨さえ降らなければ今年のアイアンマンジャパンのように高速レースの展開になるかもしれない。

当日〜スタートまで
早起き
 Aタイプは家族で一人だけのため、朝4時に僕だけ起床。毎年暗い外を見ながらおにぎりを食べるのが恒例だ。スタートが近いのもあって7時スタートでもAタイプの人もその時間はほとんど寝ているようだ。早起きしている人は強い人だと思う。当日受付は5分前から前で体操して待ち、登録を一番に済ませる。勝負者たるもの何でも一番。これが僕のモットーである。その時点で既に勝っている気になるのだ(気のせい!?)。

英断
 海を見に行く。昨日と同じだ。波浪警報が出ているという噂もあった。これでスイムはあるのか?選手はどんな荒天でもやりたがるものだが、個人の責任といえども、事故が起こったらやはり大会側もいくらかは責任問題になる。微妙な判断が迫られた。協議が難航しているようで決定される時間になってもなかなかアナウンスされない。海に見に行くとボランティアのサーファーが泳いで確かめているようだ。海は見るからに激荒れだ。予定より30分程遅れた後、スイムの通常開催が決定された。人数増加の今大会で仮にデュアスロンになっていたら来年は参加者が激減していただろう。また、仮に開催して事故がたくさん起こっていたら次回の大会の開催自体も危ぶまれる。珠洲の大会にとってもこの判断は大きなターニングポイントだったと思う。結果、事故も起こらず、大会の判断は正しかったと言える。決行の英断に感謝したい。

 とは言っても、海は激荒れだ。昨日泳ぐのを諦めたほどの荒れ方だ。これで泳げるのか?まぁやるといっているからやるんだろう。とりあえずウェットスーツを着て、泳ぎに行ってみる。どうにか泳げるが前から大きい波が来た時は呼吸ができないほどだ。上下動もかなり激しい。厳しいレースになりそうだ。

 三種目のアップをばっちり行い、恒例のスタート前の写真撮影。毎年のパターンが決まっているので、手順は慣れたもんである。さあ、あとはやるのみ。入賞に向かって準備万端だ。

スイム〜久々に溺れました
 コースロープがかなり左に流されていて、コーナーまでの中間地点が膨らんでいて、しなっているような形になっている。コースロープ沿いよりも真っ直ぐ泳いで行った方が近いと見て、あえてコーナー側から離れた真ん中より左側を陣取る。例年の「頑張るぞ!おぉー!!」の掛け声も市長挨拶もなく、いきなり「3分前」。今年は激荒れにつきスタート前に選手が海に慣れる時間を多く取ったのかも知れない。スタート後、勢いよく飛び出し、波の下をくぐる。100人ごとのウェーブスタートのためバトルは非常に少なかった。スタート位置が失敗だったかどうかは分からないが、潮の流れがかなりきつくて、とてもじゃないが真っ直ぐ泳げない。また、波で息もしにくく、上下動もあり全くリズムに乗れず、溺れ気味である。宮古では3kmで48分台、皆生でも3kmで53分で泳いだのに、折り返しの1250mでなんと34分もかかった。「こ、これは、2.5kmでまさかの60分??」しかし、みんな遅くなっているはずだ。たかがスイム。勝負はバイクランだと言い聞かせるも、やっぱり焦る。

 後で分析するに、自分のタイムはショートで27分前後だが、ロングでも1500を同じくらいで通過するのは、ペースメーカーに付いて、リラックスした大きな泳ぎがリズムよくできているためだと思う。一方、今回は全くリズムに乗れず泳げない。スイマーから言わせれば荒れているときは小さく回した方がいいとのこと。確かに大きく回して三回に一回の呼吸だと一回呼吸に失敗するとだいぶリズムが乱れるが二回に一回早いピッチで回すとそこまでリズムは乱れないで済むと思う。でも自分はそんなに器用じゃない。プールで速く泳げても試合は海でやるから意味がない。どんな海でも速く泳げるようにする、これは今後の課題である。

 折り返し以降は、潮の流れの影響で驚くほど速く(流されまくり)、結局54分でスイムアップ(初めの予定より10分以上の遅れ)。結果を見ると、当然全体的にタイムが遅くなっていたが、自分は昨年より順位を落としている。昨年よりスイムはだいぶ速くなったはずであったが、自分が特にリズムに乗れなかったのだと思う。あと、7月以降、実はあまり泳げていなかった。8月には、行ってみたらプールが定休日であったり、泳げる時間が45分しかないなどで、スイムに行く直前で二回ほど泳ぐのを諦めたことがある。慣れによって調子はだいぶ変わると思うので、これが練習できていたらあと1〜2分は違ったかもしれない。これは反省だ。45分でもなんでも練習はやれる日にやるように。と心がけたい。

バイク〜躍進
 お楽しみのバイク。CEEPOで珠洲のコースは初で、乗り手の上達振りも凄まじいものがあるはずだ。スイムでは溺れ気味だったが体力は特に消耗していないようだ。やや風はあるが、非常に涼しく、走りやすい。汗も少なかったので、アスリートソルトはあまり摂らなかった。ここはバイクで挽回と行きたいところだ。
 ただ、かつてバイク二周するコースの二周目を一周目と同じように走れたことがない。作戦は今回もランで勝負できるようになるべく消耗しない走りを心がけることだ。ペースメーカーに付いて、距離を空けて同じペースで走る作戦である。しかし、今回は大きい大会と違って、本当に強い人はそう多くはない。そこそこ付かせてもらったら前に行くようにした。今までは30km/hを割ってしまっていたので、今年は30km/h死守を目標とした。

 Aveを気にしすぎると、上りなどでAveを落とさないようにと頑張りすぎて、オーバーペースになることがあるので、初めはあえてAveを見ずに距離表示にしていた。体力と相談してあと何分の何このペースでというように考えた。

 舞洲の大会で、前半、速そうな自転車に乗った心肺計を付けた選手がやたらちんたら坂を上っていたので抜いたら、あとで、自分がバテた頃にあっさりサーッと抜かれた。結果、その選手のバイクラップはかなり速いものであった。その選手は心肺管理をしているからそのペースを守っていたのであって、決して遅いわけでもバテた訳でもなく、トータルで考えるとそれが理想のペースだったのだろう。それで、上りは往々にして突っ込み過ぎで、後でそのツケが回ってくるのだと学んだ。そこで、最大斜度16%の難所大谷峠も楽に楽にと心がけて、無難にクリア。一周目を通過したときは、全く頑張っていなかったが予定より5分程速かった。スイムで遅かったがバイクは予定より早く来たので応援の母親が驚いていた。余力も十分である。

 そして勝負の二周目。ここでも、ペースアップするわけではなく、無難に無難にと心がけた。それでも、何人も抜かしていった。頑張っているつもりではないから、気持ちの余裕がかなりあった。トータルでバイクでは抜かされたのは2人だけで、42人のゴボウ抜きであった。Ave30.7km/h。終わる頃でも余力は十分。ランでは走れる予感がした。
 かつてミドル以上の試合でバイクがイーブンで走れたことはなかった。これはかなりの成果だ。かなり強くなったと実感できた。ただ、ペースメーカーから前のペースメーカーに乗り換えるときに、急に間を詰め過ぎていると感じた。ペースのアップダウンはなるべく緩やかにした方が力の温存になる。自分でいいペースを作れるようになる必要があると感じた。

ラン〜この道が描く放物線は栄光への架け橋だ!?
 走り始めてすぐに今日は走れると確信。ゴールが楽しみになった。涼しくてかなり走りやすい。応援の母親に順位を確認したが、「分からない」とのこと。まあ、タイムを刻めば順位はおのずと付いてくるだろうと、かねてからのペース走を心がける。4分30秒でいけるところまで。〜45まではOK。という作戦。学生の時は4分10秒で通そうとしたが、さすがにそこまでの馬力はない。

 例年より周りに選手を見かけることが少なかった。また、かつて経験がなかったが、エイドでのボランティアの反応もすごくよく、拍手で迎えられた。かなり前で走っていることを感じた。折り返しで確認した感じでは順位は十数番であろうか。このまま行くと、スイムの分をバイクランで完全に取り戻し、タイムは目標を達成できそうな感じであった。足の痙攣もなんとか大丈夫そうだ。自分は目標をわりと高目に設定するため、実は目標を達成できることは少ない。でも、今回は、いけそうだ。北京オリンピックの影響もあり、「この道が描く放物線は栄光への架け橋だ〜」と思いながら走っていた(笑)

 ただ、設定通りのペースに安心してか、必死で走って、ゴール後死ぬかと思った2005年のときに比べて、足が攣ったりしないように無難にペースを守る走りで最後まで楽であった。ラスト5kmではもっと追い込めたのかもしれない。気持ちとして「後ろから人が来るな。」は当然としても、正直なところ、「前にも見えなくていい(抜かすのがしんどいから)。」という気持ちがあった。これが、アイアンマンで間違いなく年代別1位か2位で走っていれば問題ないが、(自分のレベルではその可能性はそう高くないので)もっと最後まで気を張って走らなければならないと思った。たとえ6位入賞は無理でも必死で10位以内を狙う貪欲さが必要であったと思う。

総括
 バイク-ランの躍進が素晴らしかった。ミドル以上の大会でバイク-ランがイーブンペースで最後までいけたのは初めてで、そこが一番大きな収穫であり、自信になった。昨年と比べると自転車が変わったのもあるがバイクのみで30分も短縮できた(昨年はバイクの後半あと5kmでまさかのペダル外れ事件があったが)。単純に今なら昨年のタイムから180kmで何分縮められるのかと楽しみになる。

 あと、ラップ順位がバイクが10位でラン13位と、ランも走りきれてバイクが上となったのは初めてである。以前から大腿が尋常じゃなく太くなり、既にランナーの脚ではないと言われていたが遂にランナー卒業か!? の瞬間であった。(でもランももっと速くなりたい。)

 タイム自体は例年なら入賞も狙えるタイムであり、1分の狂いもなく(スイムの遅れをバイクランでカバー)目標タイム通りであった。しかし、順位は目標の6位入賞に及ばず、12位。涼しくて走りやすかったのもあるが、上位陣は、思いの外レベルが高いのかもしれない。とりあえずのところは、バイクランはいちお出し切ったので、今の実力では改善されてスイムの2、3分かもしれない。ただ、タイムは達成できても順位は及ばずだったので、もっとハングリー精神を持って最後まで攻めなければいけないと思った。さらに、ハワイを狙うには年代別2位は痛いところである。結果を見ると年代別一位は自分の一個上の順位で1分半ほどの差であった。この差でハワイを逃したら泣くに泣けない。自分には鬼のストイックさが必要だ。2月マレーシアまでにはロングで同年代には国内敵なし状態で挑みたい(練習あるのみ!)。

最後に
 トライアスロンは体力も当然ながら、ある程度のお金と環境がないとやれない競技である。自分の場合、初めも自転車などはバイトとお小遣いを貯めて買ったが、小さい時からスイミングに通わせてもらったり、運動をやらせてもらえたり、恵まれた環境であったと思う。そのおかげで今の自分があることは間違いない。この珠洲では、家族で参加できる大会であることを嬉しく思うと共に、家族には心から感謝したい。今年も父と兄弟がみんなゴールすることができてよかった。還暦を迎えた父、どこで働くことになるか分からない弟、海外転勤もあるかもしれない自分と、不安定な要素はいくつもあるので、あと何回家族全員で参加できるかは分からないので、できる限り珠洲には出続けたいと思う。


 

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