第20回記念 NISSAN CUP 神奈川トライアスロン大会 完走記 ヨッシー

<最初に>
 ゴールして、最初に思ったことは、「やっとトライスリートになれた」である。ここ1年あまり、趣味は?と聞かれても、「ジョギングを少々…」ぐらいしか言えなかった。これからは、きっと自信をもって、「トライアスロンをしています」と答えられると思う。それぐらい、自分にとって、このレースの完走は大きなものである。でも、これが最初の一歩であり、これからがもっと大切だ。根岸を走っても、ヤビツを登っても、まだまだ、横浜鉄人クラブの練習について行けている訳ではないが、生涯スポーツとして、日々、挑戦しつづけることの「むつかしさ」と「楽しさ」の両方を、精一杯、味ってみたいと思う。その最初の完走記を以下、時間を追って記載する。(多少の下ネタはご容赦ください)

<当日の朝>
 前日、久しぶりに禁酒、10時前に床に入り、 文庫本を読んでいると、すぐに睡魔。しっかり睡眠でき、朝5時には目覚ましが鳴る前に、目覚める。雨が降っている。あ〜あ、まただよ。これで、3レース連続の雨。やっぱり、雨男なんだ、とつくづく思う。

 朝ご飯を食べ、トライスーツに着替える。擦れる部分(?)には、ワセリンを塗り、左膝と右脚にはキネシオテープを張る。ボトルにミネラルウォーターを入れ、準備完了。朝、6時過ぎには、車に乗り込み、出発。雨がポツポツ。やっぱり、雨は気が重い。道はすいているが、慎重に安全運転。いつもより、ゆっくり運転。鎌倉街道から笹下釜利谷街道を進み、金沢文庫で国道16号線に出る。追浜駅前で左折、日産の工場へ。

<現地到着〜開会式〜入水チェック>
 現地には、6時50分頃、到着。指定駐車場前に選手の車の列、最後尾につけて、開門を待つ。駐車場につき、自転車を組み立て、空気を入れ、出発。駐車場から一番に出た。自転車に乗って会場に向かう。会場の近くの路上にも選手の車。なんだ、ここは路上駐車OKなのか。様子がわからないと、やっぱり苦労する。トランジッションの隣に広場がある。なんと、一番で現地入りと思っていたが、既に、鉄人クラブのテントがあった。隊長、ツカさん、Tamaさんが準備中。その後、カズさん、パナソニックさんが合流。荷物を置いて、自転車の準備をして、ウォーミングアップ。開会式や入水チェックがあるが、どの時点でどこまで準備しなければならないのか、様子がわからない。つまらないことを質問しながら、不安のまま、準備する。皆さんはサンダルを履いている。確かに、必要だ。次回への課題として、心に留める。開会式が始まり、ウェットスーツを着る。擦れそうなところにワセリンを塗るというが、どこかわからない。泳いでいるうちに、右オープンのため、右あご下が擦れて痛くなったが、これも、次回への課題。入水チェックの放送があり、よし!と気合を入れるが、突然、小をもよおす。急遽、岸壁のトイレに走る。かなりの列。なかなか順番が来ない。やばい、このままだと、時間切れになる。えい、仕方ない。人目もはばからず、トイレの脇から、海に向かって、思いっきり…。あー、すっきりした。あせっていたので、恥ずかしいと思う余裕はなかった。スイム会場に向かい、アンクルバンドをもらう。その後、桟橋の前で待機。いよいよ始まる。

<SWIM 1.5km … 0:38:52>
 入水チェックのため、海に入る。水温は「ぬる冷たい」といった感じ。ロングジョンのウェットスーツだと寒いかも、と心配したが、行けそうだ。スタート時間はとっくに過ぎているのに、選手権の部のスタートすらなされない。選手の中から、不満の声が上がる。とりあえず軽く泳いだり、背浮きしたりして過ごす。パナソニックさんから、「混雑を避けること。最初は抑えること。」とのアドバイス。

 やっと、選手権の部がスタート。一般は、その2分後。そして、スタートの変なラッパ音(ふにゃ〜)。自分としては、落ち着いてスタートしたつもりでいたが、うねりのせいか、プールと違って、思うように進まない感じがして、つい、力んでしまった。心拍計を見ると170拍/分。パナソニックさんからせっかくアドバイスいただいたのに…(反省)。ついに、最初のコーナー(125m)の前で息が上がってしまった。苦しい。コーナーを曲がって、その先のブイがすごく遠くに見える。こりゃ、だめだ。リタイヤかな〜と弱気になる。まずは、375m地点のコーナーを目指し、もがくが、右に行ったり、左に行ったり、人とぶつかり、コースロープにぶつかったり。やっぱり、苦しくて、背浮きして休憩。気を取りなおして、再スタート。こんな感じを繰り返しながら、375m地点で折り返し。周りには、同じ色のキャップの人はいない。結構、ショック。ジグザグで泳ぎつづけて、何とか1周、でも、まだ、半分。あ〜あ。

 2周目に入り、まずは最初のコーナーだ、と気合を入れて、またジグザグ。しばらくすると、息が楽になってきた。やっと、気持ちも落ち着いてきて、練習の時と同じように、ゆったりと”ため“のある泳ぎをやろうと思えるようになった。最初のコーナーを曲がって、相変わらず、ジグザグと無駄の泳ぎをしていたが、感じは前と違い、ちゃんと進んでいるじゃないか!と勝手に気分良くなっていた。最後の折り返し(1125m)に到着し時計を見ると、27分経過。こんなに時間がかかったのかよ。周り見ると、泳いでいる人が少ない。こんな時間なら、そうだよな〜、と変に納得して、泳ぎ続ける。最後のブイを回って、桟橋に向かう。ここで、何人かとバトル(?)。みんな苦しそう。救命ボートにしがみつく感じで、桟橋に手をかけ、足をつけ、やっと水面上に。正直、ほっとした。桟橋の傾斜がきつい。スタッフから「歩いてください」との注意。疲れて、とても走れないけど、虚勢を張って、笑顔でうなづく。堤防を越えて、やっと上陸。そこで、家内と次男が待っていた。「大丈夫〜?」と家内。「おう、大丈夫!!」と親指を立てて、ここでも虚勢を張るが、ちょっとふらふらして、走れない。エイドで水をもらう。飲んだら、すこし元気になり、トランジッションに向かって、小走り。目標の30分はオーバーしたが、エントリー時の申告した40分は切れた。

<BIKE 40km … 1:17:53>
 陸にあがると、結構、雨が降っているのに気づく。「ゴーグルとキャップを先にとると、手がふさがるので、まずは、ウェットスーツを脱ぎながら、走る。」というMさんの教えを守り、チアリーダーの前あたりでウェットの上半身部分を脱ぐ。自転車にたどり着き、ウェットを脱ぎ、タオルで足をふいて、ソックスをはき、BIKEシューズをはく。ふらふらしていて、時間がかかる。手袋とサングラス、そして、ヘルメットをつけて、自転車を下ろし、乗車位置まで、押して走る。いよいよBIKE。こけませんようにと、祈りながら、クリートをはめ、BIKE開始。

 あれ〜、何か軽いぞ。SWIMで消耗しているかと思いきや、ケイデンス90〜100、時速30km以上で回せている。よし、この調子だ、と気分を良くして、ペースを維持しつつ、約9分で1周目を終了。「よっしー頑張れ!」とJRさんの応援の声。その時は、どこにいらっしゃるのか、わからなかった。

 2周目のトランジッションの近くで、前の車を抜こうをしたら、後ろから小生を抜こうとしていたツカさんの進路を妨害してしまい、迷惑をかけてしまった。後方未確認で大いに反省。その後、少しギアを上げ、ケイデンスも80〜85でペースを維持。裏のストレートでは、時速35km以上まで上がり、まずまずのペース。トランジッション前でJRさんの応援の声。計測機の隣にJRさんの姿が見えた。カーブなので、手が離せず、反応できなかった。(すみませんでした。)ちょっと余裕も出てきて、家内と次男はどこだろう、と見渡すが、結局、見つからず。

 4周目の裏の公道から折り返して工場に入った直後のところで、前の人を抜こうと接近したら、がたがた道に入ってしまい、空気ポンプを落とすというアクシデント。(結局、見つからず、残念!)

 スリップして、落車している人、パンクで修理している人のそばをすり抜けながら、JRさんのアドバイス通り、新品のタイヤに交換しておいて良かったと、心底、思う。特に、雨なので、古いタイヤだったら、どうなっていただろうかと、想像するだけで怖い。

 毎回、給水を裏の公道から折り返して工場に入ったところでとるようにして、脱水だけには気をつけた。ちょっと飲みすぎで、RUNで困ったことになろうとは…。

 6周目ぐらいになると、もう、RUNに移っている人を見る。すごいな〜、と感心したが、まあ、おれはおれのペースだ!と納得しながら、ペースを維持。8周目になると、走っている人が少なくなり、やはり、さびしい。でも、トランジッションを通るたびに、毎回、JRさんの熱い応援をいただき、ペースが落ちることなく、自分としては一応、満足して、8周を走りきり、BIKE終了。降車位置でペダルを外し、小走りでトランジッションの自分の位置につくと、なんと、自分の所に別の自転車がある。自分が遅いから悪いのだが、ちょっと怒って、その自転車をずらして、やっと、自分の自転車をセット。靴を履き替え、ヘルメットを脱いで、帽子をかぶり、RUNに向かう。気がつけば、雨は小降りになっていた。BIKEは目標(=エントリー時の申告)の1:20:00を切る。よっしゃ〜!。

<RUN 10km … 1:00:03>
 BIKEは調子よく終わったが、RUNに入ると、やはり、脚に疲労が溜まっているな〜と気づく。脚に力が入らず、走る感じもが重い。なんか変だな〜?。そこでタイミング良く、JRさんから激。「最初はペースを落とせ。最後に出し切れ!」  この言葉で目が覚めた。そうだ、まずはペースを探ろうと、ちょっとペースを落として、走り始める。ペースを探りながら、最初の折り返しで輪ゴムをもらう。あと6本か、先はまだ長いな〜、と思いながら、走っていると、パナソニックさんとすれ違う。手を上げて、挨拶。その後、隊長にもすれ違う。また、手を上げて挨拶。ところで、RUNコースは1km毎の距離表示がなく、今のペースが早いのか、遅いのか、全く解らない。まぁ、仕方ない。どうせ、このペース以上では走れないので、このまま行く。

 次ぎの折り返しで、輪ゴムをもらう。また、パナソニックさんと隊長とすれ違う。そう言えば、エイドステーションはどこ? のどが乾いた。トランジッションのところにあるけれど、すれ違いの道側だ。やばいな〜。もう一回、折り返さないと、取れないのか。ちょっとショック。その時、GOODタイミングで、JRさんの叱咤激励。また、目が覚める。でも、ペースが上がらない。こりゃ、相当遅いだろうな、とおもいつつ、走っていると、ついに、隊長が追いついてきて、声を掛けていただき、あっと言う間に抜かれた。

 また、折り返しで輪ゴムをもらった。のどが乾いているのに、小を催す。BIKEの時に飲みすぎたか?植え込みに隠れて、ちょっと失礼。また、トランジッションに戻って、パワージェルを飲んで、エイドステーションで給水。まだあるな〜。家内が写真をとってくれる。飲み干したパワージェルの袋を家内に渡して、また走る。

 またまた、折り返しで輪ゴムをもらう。だんだん、走っている人が少なくなる。もう、みんなゴールしたんだろうな〜。トランジッションに戻ると、JRさんだけでなく、ゴールした皆さんからも声援をいただく。ラスト、頑張るぞ〜、と意気込むが、ペースが上がらない。挙句の果てには、いつものように、右臀筋が痛みだし、このままだとまた、右脚の脱力が起こりそうな気配。やばい!浜松シティマラソンの時の悪夢がよみがえる。恐る恐る、走りつづける。最後の輪ゴムをもらって、最後の角を曲がると、ゴールまで一直線。なんと、そこにJRさんがいらっしゃる。「最後に前の選手を抜け。力を出し切れ。」と、激。なんと、併走していただいているではないか。本当にうれしく、涙が出そうになった。ペースを上げ、前を行く選手に近づいて、抜こうとしたが、その選手も気付いて、スパート。こちらは、そのスパートにはどうしても、ついて行けない。そのまま、チアリーダーの大声援の中、ゴール。ちょっと恥ずかしいがうれしい。あ〜、終わった。RUNは1:00:03とほぼ、6分/kmペースの目標(=申告)通りで、思っていたより早いペースで走れた。

 ゴールには家内と次男が待っていてくれた。貰った水とバナナを、すぐに食べた。名物の横須賀カレーの引き換え券を貰い、空腹で元気のない次男に渡す。二人の視線は、いつもと違って、なんとなくやさしかった。

<レース後>
 ゴール後、鉄人クラブのテントに戻り、クールダウンのため、少しジョグ。その後、後片付け。全身、ずぶ濡れで、速攻で着替える。これ以上、家族を待たせるのはかわいそうなので、皆さんに申し訳なかったが、お先に失礼させていただいた。会場から、駐車場まで、雨の中、かなり歩いた。駐車場までは、JRさん、パナソニックさん、Tamaさんと一緒に歩く。車に自転車を載せ、家族とともに、帰路に。工場の門を出て、また、小をもよおし、近くの草葉で失礼。鎌倉街道の清水橋の近くのジャンボおしどり(回転すし)で昼食。ビールが飲めなくて、残念!!

 疲れているし、早くビールを飲みたかったが、家に帰って、自転車やヘルメット、靴、ウェットスーツを風呂場に持ちこみ、ジャブジャブと洗う。明日は休暇をとっていたが、先週来の仕事のせいで、急遽、出勤となり、今、やるしかない。シャワーを終え、着替えて、ほっとした。家内から、夕食の買い物に行きたいと言われ、重い体に鞭打って、近くの生協に。おつまみ買って、帰宅。その日のビールは格別だった。食後は即、睡魔。

<最後に>
 私の父は、身体がまったく動かなくなるという難病にかかり、昨年の9月に死んだ。その父の難病を知り、また、どんどん衰えてゆく姿を見て、自分の意識が変わった。やはり、死ぬぎりぎりまで、自分のことは自分で出来なければ、人間の尊厳を失ってしまう。父は死ぬことでそれを教えてくれた。ぶくぶくと太って、生活習慣病のデパートのような身体ではダメだ。それでなくても、すい臓に疾患を抱えている身だ。

 それまで、浜松でMさんとちょくちょく、居酒屋で飲んで、トライアスロンの話を聞いて、「へ〜、そうなの。」だけだったのが、「身体にいいことをやろう!体質を変えよう!」に変わった。トレーニングを継続するためには、楽しみや励みが必要だ。それなら、「宮古島を目指そう!」ということで、ど〜んと盛り上がってしまった。

 昨年3月、「マフェトン理論で強くなる」を購読し、POLARのHRMを購入した。そして、ランニングシューズを買い、ジョギングからスタート。昨年4月には、それまで20年以上吸っていたタバコも止めた。ヘビースモーカーだったが、ほとんど苦しまずに止めることができた。これには、会社の同僚、家内、子供、両親もびっくり。そうやって1年3か月、時間をやりくりして、少しずつでもトレーニングを続けてきた結果、約15kg体重を減らし、今回の大会に出場することができた。

 精神的支柱となってくれたMさん、献身的にSWINを教えていただいたSさん、カイロプラクティクスで身体をケアしていただいたMさん、浜松の3人の先輩(年下もいますが…)には、本当にお世話になりました。レース前には、何かと気をかけていただき、完走の連絡をしたら、自分のことのように、喜んでいただいたのには、感激した。そして、自転車をくれたKさん、本当にありがとうございました。

 また、横浜鉄人クラブの皆さん、(宮古島の日に)突然の入会希望の書き込みをしたにもかかわらず、早速、ゴールデンウィークから、受け入れていただき、本当にうれしく思っています。レース中には、大声援をいただき、ありがとうございました。

 浜松のバイクショップのTさん、最初に懇切丁寧に自転車を整備しいただき、ありがとうございました。横浜のバイクショップのKさん、色々と、自転車の面倒をみていただきありがとうございました。おかげで、レースでのトラブルはありませんでした。、

 最後に、ここまでこれたのは、家族、特に家内が理解、支援してくれていたことが、大きかった。本当にありがとう! まだまだ、頑張るからね〜。

以上



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