2005-5-28 新島トライアスロン参加記 キヨ

 大会前日、夕方6時、私は京都にいました。仕事はまだ終わりません。その日、夜11時30分、横浜港発の船で新島に向かうことになっています。自転車は勿論のこと、ウェア一式、持って来てはいません。7時に終われば、何とか一度家に戻る時間はあります。しかし、その7時も空しく過ぎ、そして8時、やっと終わりました。この時間、横浜直行なら、船にだけは乗れます。今回も参加は諦め、応援には行けるな、と思い、妻に連絡しました。すると、妻曰く、「自転車2台、輪行していくよ。」
 横浜に着いて聞くと、帰宅ラッシュの東横線、自転車2台抱え着替えを詰めたバックを背負って来た、とのこと。しばらく頭が上がりません(いつもの事ながら)。この時の港での夫婦の会話は私からは、書けません。因みに、後でスポーツクラブの水泳のコーチから、「これから仕事に行く時は、都内であろうが、京都であれどこであれ、自転車通勤(出張)しろ」、と言われました。なるほど、これなら出張旅費も浮くし、半分、納得。

 そんな、出発前の一寸したトラブルもありながら、5月28日、第14回新島トライアスロン大会(2005年東京アイランドシリーズ第1戦)に参加してきました。このシリーズには昨年まで式根島のアクアスロンと大島のトライアスロンには参加したことがありますが、新島は初めてでした。
 大会当日、初夏の爽やかな天気に恵まれました。民宿の方の話では、前日まで、風が強く、海も荒れていたとか。スタート直前まで、バイクメカの人と話し込んでいた私達は、入水チェックが終わっていない、というアナウンスに急かされ、慌ててバイクセットをしてスタートに並びました。130人程の選手が参加。この大会は三人一組で一人三種目とも行いその合計タイムを競うチーム戦もあります(一人ひとりのタイムは個人順位の対象にもまります)。
 スタート後は参加者も少ない上、二組(個人だけ登録の選手が1組目、チームとしてもエントリーしている選手が2組目)に分かれてのスタートの為、バトルもなく、泳ぎはじめました。1周750mの三角形を2周するものですが、第二コーナー(沖)へ向かう辺り、多少波があり、私は一周目は約100メートルほど平泳ぎ。その代わり、岸へ戻る時は気持ちよく、潮の流れに乗れました。ただ、2周目の終盤になると、4分後にスタートした2組目の選手何人かに勢い良く追い越されました。
 海から上がると、会場で名前を紹介され、さらに「奥様が先ほど行かれました」といういつもの聞きなれたアナウンスが流れていました。時計を見ると25分20秒、まずまずといったところ。トランジットではすでに妻の姿はなく、良いところでスイムを終えたんだろうな、と思う(結果を見ると、女子2位、総合15位でした)。
 バイクは一周約11.5キロを3周する35kのコース。海岸沿いあり、緩やかな長い上りあり、そして急な下り、カーブありと、飽きないコースです。バイクスタート後、3k位のところで折り返しがありますが、1周目で妻とは2分弱の差、2周目で背中が見えて来て、丁度、真ん中辺りで追い越しました。この時妻は、後で聞くと、「私が運んできた自転車なのに!」と思ったそうです。その思いの強さからか、その後、余り差は開かず、3周目に入ったところの折り返しでも1分の差もありません。結局、私がバイクフィニッシュしランシューズを履いているところに妻も戻ってきました。この時点で勝負あり、の感です。このバイク中、あからさまにドラフティングをしている女子選手を目の当たりにし、見ているだけでも不愉快な思いもしましたが、折角、楽しんでやっていることですから、これも他山の石として、自分自身マナーも含めて、ボランティアの方々や、沿道の応援の人達にも楽しんでもらえるぐらいのゆとりをもって走りたいな、と感じました。
 それはさておき、ランスタートして500メートルも行かないうちに、もう妻の息遣いが聞こえてきました。それでも何とか、3k付近までは粘りましたが、上り坂で追い越され、やがて見えなくなりました。私自身としてもそれほど悪くはないのですが、かなり快調な走りをしていました(ランでは女子1位、総合でも23位でした)。ランコースは5kを2周するものですが、アップダウンが多いものの路面は良く、途中、200メートルトラックを回ったり、高台から海を見渡せたりと、天気の良さと、手頃な気温の中で、楽しく走れました。
 ゴールタイムは妻が2時間27分26秒、私が2時間30分34秒。スイムで先行され、バイクで追い越し、ランでサヨナラ負け、という夫婦対決としてはオーソドックスな決着となりました。欲を言えばお互い後5分ぐらいは縮めたかったところですが、存分に楽しむことはできました。妻は3位入賞し後夜祭で新島ガラス製のトロフィー(周りの人の話では2〜3万円はすると言う)を2つ(この大会には年齢によるハンディキャップがあり=35歳を越えると1歳につき1分=妻はネット、グロスとも3位でした)貰いました。

 さて、この大会(東京アイランドシリーズ4戦ともですが)、土曜日の午後に開催される為、レース後を楽しむ時間があり過ぎるほどあります。ゴール直後は、ビール片手に太平洋を望みながら露天風呂温泉で疲れを癒し(その夜始まる4種目への準備運動?)、後夜祭では地元での獲れたての刺身や、ふんだんな料理をつまみながら、ビールと太鼓の演奏に酔い、宿へ帰って同宿の人達とまた乾杯。このアイランドシリーズはリピータが多く、顔見知りの人たちとも再会できたり、また新しく知り合えたりと、島の良さも手伝って、大いに鋭気を養うことが出来ました。全日程が終わり、他の大会なら、「来年、また会いましょう」が合言葉なのでしょうが、この大会では、「2週間後の大島で」という挨拶が飛び交っておりました。なお帰りの東海汽船の船のデッキでは都内の体育館に勤務する某インストラクターによる参加者5人のエアロビクス講習会が開かれておりました。


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