ベテランの含蓄-----大田原マラソン完走記 Mr.ビーン

第17回大田原マラソン
2004年11月23日(日)天候:晴

	lap	time
5km	0:23:56	0:23:56
10km	0:22:48	0:46:44
15km	0:23:00	1:09:44
20km	0:24:18	1:34:02
25km	0:24:54	1:58:56
30km	0:24:38	2:23:34
35km	0:25:31	2:49:05
40km	0:26:57	3:16:02
finish	0:11:31	3:27:33

総合順位:364位/685人

「そんなに計算ばかりしたってダメだよ」と隊長。レースを前にベテランはさすが余裕である。私といえば毎度「とらタヌ」で計算ばかりしているが、ついぞ思い通りに走れたためしがない。

新幹線を那須塩原駅で降りるとやはり風が冷たい。大会のバスに乗り会場へ。乗り合わせたマイクロバスは大会差し回しでタダというのがうれしい。会場までは思ったよりも遠い。
立派な県立体育館で受付けを済ませ、体育館の奥に陣取る。いつものようにゼッケンを付け、ランナーズのチップをシューズに取り付ける。
今回の参加は、隊長、マツ、モト、ダニエル、ジャムおじさん、キヨ、ヨーコ、のベテランメンバーのほか、今回は足の故障で応援のJR、そしてイヤミと私の2名が初参加である。

さてスペシャルの支度である。スペシャルなどエリート選手がやることだと思っていたのだが、ここでは誰でも気軽に出来るというので、駅で買っておいた小さいPETボトル2つに水とカーボショッツ2個分をそれぞれ混ぜたものを作る。これを20キロと30キロに預ける。
本吉さんのアドバイスでは15キロから5キロごとにカーボショッツを一つずつとるということであったが、これだと6つ持っていかなければならない。4つ分はスペシャルで取るとして、あと2つである。ウエストポーチも持っていないので、これをランシャツの背中のポケットに入れておく。
ほかのメンバーも思い思いに準備している。ヨーコさんがキヨさんの世話を焼いている。旦那のソックスに穴が開いているのを発見したらしく「そんなのじゃダメよ」と騒いでいる。「それがどうしたの」「べつに平気じゃない」とモトさん。ここらへんがベテランの味か。ついぞ妻にかまわれたことのない我が身は「ほっとけ」と思っているのであるが、内心ウラヤマしくもある。

とにかく時間はたっぷりある。トイレにも何回も行ける。トイレも仮設などではなく体育館のきれいなトイレがさほど並ぶこともなく使える。マンモス大会ではありえない。うれしいので何回も通う。直前までスパッツをはいていたのだが、これもランパンに変える。この天気ならランパンとランシャツで十分である。
スタートは10時40分。モトさんいわく、スタートには直前に行けば十分、とのことであったが、15分ほど前に競技場へ。ランナーたちはまだトラックでアップしている。
スタート前でダニエル氏とイヤミ氏と一緒になる。周りを見回すと前後30メートルほどの間にすべてのランナーが待機できるほどの人数である。

栃木県知事、太田市長、陸連関係者の挨拶もなにもなく、(開会式ではあったのだろうが)いきなり「あと2分」とカウントダウンが始まる。いよいよスタート、トラックを半周して道路へ出る。いきなりペースが早い。つくばとは大違いだ。つくばだと5キロまでは我慢の走りになるのだが、それなりにアップにもなるから自重して走るのだが、ここでは周囲のほうが速いから合わせていいものかどうか不安。1キロまでは道も狭く、端を走っているせいもあって少しずつ周囲から遅れていく。それでも積極的に行かねばと気を取り直し、頑張って走る。背中に入れたカーボショッツが揺れるのが気になり、キャップと頭の間に押し込む。これでほとんど気にならなくなった。ようやく周囲とのペースも合い、走りやすくなってきたが、自分のイメージするペースよりはやや早い。

2〜3キロいくとダニエル氏の姿が見えてきた。ついていこうとペースアップ、20メートルほど後についていく。早くも口で息をしている状態で、のどが渇き始めてきた。3キロほどの地点にスポンジのエイドがあったが、どうせ水のエイドもあるだろうと思い、これはパス。ところが水がない。やがてしばらく行くとエイドを発見、ところがテーブルの上には何もない。えっ、もうないの、なんていう冷たい大会、とあきれたがこれは勘違い。2周目のためのエイド(あるいはスペシャル?)で、まだ開店していなかったのだ。それでも水が飲めないのはつらい。5キロ地点でようやく水にありつく。ドリンクはラミネートパックに入っておりこれは飲みやすい。

■5km 0:23:56
ラップタイムを見るとぎりぎり23分台である。つくばからするとスタートまでのロスタイムもないので速いといえば言えるのだが、かなりきついペースで走っているつもりだったので、ひょっとして22分台もあるかと思っていたが、これは甘かった。
左折して10キロまではやや下り気味なので、走りが安定してきたこともあって調子よく走れる。ちょっとオーバーペース気味か、これで2周目まで持つのかとは思うのだが、とにかく行けるだけは行こう。足のほうは大丈夫だが、心肺系はこれで目一杯か。
10キロ手前で再び左折、やがてお揃いのウエアを着たキヨ&ヨーコ夫妻、夫人のほうはここでトイレに入ったらしい。すぐにご主人を追い抜く。右折してしばらく走るとゆるい上りにかかる。ほとんど気にならないくらい、とモトさんは言っていたのだが、目いっぱいで走っている身にとってはやはり坂に感じられる。

■10km lap 0:22:48  split 0:46:44
10キロのラップは22分台でこれはいいペース。
今年の春のつくばでは正式記録3:34で、ネットでは約3:32と、99年の埼玉マラソンの時の自己ベスト3:30に次ぐ結果だったので、近いうちにぜひ自己ベストを更新したい。したがって、冒頭のようにいじましく計算ずくで大田原に臨んでいるのである。

■15km lap 0:23:00  split 1:09:44
15キロを過ぎ、それほどきつくはないがゆるい上りが続く。今日は朝からかなりいろいろ食べており、まだ補給の必要は感じない。
やがてコースは田園地帯から市街地へと入っていく。市内の幹線道路を左折するとやがて20キロ地点。ここでスペシャルを取る。バナナ味のカーボショッツは嫌味もなく飲めるが2本分なのでやや濃すぎる。給水でも水を取る。15キロくらいからトイレ方面のニーズが発生していたのだが、そのまま街中に入ってしまった。

■20km lap 0:24:18  split 1:34:02
やがて中間地点。20キロからの200メートルって長いなー、と思う。何を勘違いしているのか1.1キロだ。いつまでたっても初心者並みだ。
応援のJR氏が2分前にダニエルさん、と教えてくれる。えっ、思ったより遅れてないじゃん、と気を良くして元気がわいてくる。さすがにベテランの応援はツボを押さえている。
市街地を外れたところで林を見つけ、小用。急にストップしたので、砂に足を取られ、危うく転倒しそうになった、イテテ。約1分のロスであるが、25キロまでのラップはかろうじて24分台でおさまる。

■25km 0:24:54 1:58:56
2周目に入っても、カーボショッツのおかげか、下り坂区間のせいかペースはそれほど落ちていない。大田原は走りやすく、たいへんいいコースなのだが、ゼネラルの給水が5キロごとなのは、やはり中級者以上向けということなのだろう。給水の中間にはスポンジだけのエイドがあるのだが、これは体温が上がるほど速くない私などには必要がない。どうしても飲みたければスポンジからでも飲めるわけだが…。その分、数多く設定されているスペシャルのエイドを数多く用意しておいたほうがいいということだろう。

■30km 0:24:38 2:23:34
ここでも24分台をキープ。ふたたびスペシャルのボトルを取る。ここでもカーボショッツ2個分で最後の上り区間に備える。ここから35キロまでの区間は広域農道で走りやすいが、ゆるい上りと若干の向かい風でややペースダウン。

■35km 0:25:31 2:49:05
ここまでは何とか3:30の目標は切れると思っていたのだが、残り7キロで41分となり、やや気持ちがあせってくる。今のペースからどれだけ落ちるのか分からないが、6分までペースダウンするとアウトである。
ここでもう少し補給しておこうと、キャップの中からカーボショッツを取り出して飲む。そのせいかどうか、しばらくすると右腹が痛くなってきた。数年前から胆のうポリープがあるあたりである。なんとかだましながら走る。
ふたたび市街地へ。1車線が完全に規制されていて走りやすい。腹の痛みもあり、ここへきてペースダウン。しきりに時計が気になる。どうやら30分は切れそうだが、何とか25分くらいでゴールできないか、などと欲が出てくる。

■40km 0:26:57 3:16:02
最後はかろうじて26分台までペースダウン。それでも2キロ手前まで来るとふたたび走りに元気が出てくるのは毎度の通りである。幹線道路から左折して競技場へ、ゴール。やった、5年ぶりの自己ベスト更新である。
finish 0:11:31 3:27:33

帰りは温泉と餃子。話には聞いていたが、たいへん美味しく、驚くほどたくさん食べられる。他のメンバーはサブスリー達成のモトさんをはじめ、無念のリタイヤをした人、余裕でリタイヤした人などさまざま。
隊長は「先に行くと帰るのがたいへんだよ」と、イヤミ氏をたしなめてバスに乗ったという。ここいらもベテランの味であろう。


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